椎葉村の観光スポットvol.6 椎葉の歴史の奥深さに触れる「椎葉厳島神社」と「民俗芸能博物館」
椎葉厳島神社と、それに隣接した椎葉民俗芸能博物館は、椎葉村の歴史や文化を知るにはうってつけの観光名所です。上椎葉地区の中心部、以前ご紹介した「鶴富屋敷」のすぐお隣に位置しています。
▼鶴富屋敷の記事
椎葉厳島神社は、壇ノ浦の戦いで敗れた平家追討の命を受けた那須大八郎が、椎葉の山中に逃げ込み、細々と質素に暮らす平家の残党たちの姿を見て哀れんで、平家一族が拝した厳島神社の守護神を勧請して建立したといわれています。
地域を守る神社として住民に親しまれ、12月の冬祭りでは国の重要無形民俗文化財に指定されている「上椎葉神楽」が奉納されます。
実は、この本殿から階段を降りたところに、珍しいものがあるんです。
看板には「しいば土俵」の堂々とした筆文字。境内に現れた迫力ある土俵に「なぜここに?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
この土俵は、椎葉村へ移住して来られた方が、とあるきっかけで貴乃花部屋とご縁が生まれ、「椎葉に土俵をつくろう!」という村民の思いによって2012年に建てられたのだそう。その後は、プロアマ交流の相撲大会など、相撲を通じた交流が盛んに行われてきました。現在はコロナ禍でイベント開催が縮小されていますが、高校相撲の合宿地などとして活用されています。
続いては、隣接する椎葉民俗芸能博物館を見てみましょう。こちらは、椎葉村の民俗文化を保存し伝承するため、1997年にオープンした施設です。
日本民俗学の父・柳田國男とゆかりの深い椎葉村。「民俗学発祥の地」ともいわれています。
1Fでは猪(レプリカ)がお出迎え。狩猟文化は今も盛んです。
四季に沿って、椎葉の伝統文化を紹介する展示が並びます。
このように、古くから村で受け継がれてきた慣習や礼儀作法、民俗文化を、写真や民具と共に紹介しています。全てのフロアを巡るとかなりのボリューム。
神楽や焼畑、狩猟など、椎葉の歴史や文化の要素がぎっしりと詰まったこの施設。椎葉村の雄大で美しい自然だけでなく、歴史的な奥深さもぜひ楽しんでみてはいかがでしょうか。
執筆・中川薫(https://note.com/kaoru_nakagawa/)