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歯みがきコップで思い出した、コロナ禍で私が発したSOS

児童クラブを辞めてから


先月、コロナ禍に入ったころにやめた、娘の児童クラブの先生から連絡がありました。娘の歯みがきコップが残ったままだったと。

コップくらい、処分してもらってよかったのですが、せっかくご連絡を下さった先生にも久しぶりにお会いしたくて引き取りに行きました。そんなコップのことは全く忘れていましたが、あの頃のツライ状況と感情を想い出して、久しぶりにnoteを書くことにしました。

娘が児童クラブをやめたのは2020年前の5月初め。
コロナ渦になって3ヶ月目、学校はまだまだ休校中の頃でした。

当時、3年生になったタイミング。
2年生の終わりで児童クラブを辞める子が多く、
残っていた女子はたったの2名で、後の十数名は男子ばかり。

そろそろ発達の差に子どもたちも気づいていたのか、
単純に男子、女子が対立しがちな年代になったからか、
娘は「児童クラブに行きたくない」を連発していました。
同時に「コロナ感染が怖い」と言って、
児童クラブを休み、家にこもりっぱなしでした。

私も仕事があるし、
できれば児童クラブで過ごしてほしいのに、当時はまだまだ未知のコロナに「かかりたくないから」と言われると、無理強いは出来ないし…と悩んだ末、児童クラブを退会させました。

そして、私自身も仕事をセーブして、家でできる範囲で仕事をすることにしました。


ステイホーム続きで悪目立ちしてきたこと

4月、5月と休校が続き、児童クラブはやめてしまい、外出自粛。娘と私二人きりで家にいると、どの家庭でもそうだったと思いますが、お互いストレスがたまり、衝突も増えました。しかも、傍目には自閉症スペクトラムとわかりにくい娘も、人との交流がなくなり、ひとり遊びや、動画やゲームばかりになるにつれて、特性が悪目立ちしてきた感じがありました。一方的に話し続けたり、話の受け答えが噛み合わなくなったり。別の部屋で仕事をしていても、話にくるし、余計に私もストレスを感じるように。

一方、ステイホームで家にずっといるわりに、仕事や家事で、全く休めていない感覚があった私。「動画や映画をたくさん見ている」という周りの人のSNS投稿は信じられませんでした。どうしたらそんなに暇になるのか?と。娘と四六時中一緒にいることに耐え切れなくなりました。

SOSを出せる場所があってよかった

そこで、通級の先生に電話した私。
「通級は、もともと1対1だから、感染リスクも少ないし、なんとか通級の授業をしていただけませんか?」
と、ダメもととは言え、常識ハズレなお願いをするほど追い詰められていました。

そのときは、自分では追い詰められているとは思っていませんでしたが、先生からすると、私のSOSだと思われたんでしょう。

先生には、娘のことで常に相談していました。

「通級も学校の一環で、カリキュラムにそって授業をするので、学校が休校だと授業はできないのよ」と説明はされたものの、「1時間くらい、ちょっと話しにおいで。」と言っていただき、私の話を聞いたり、娘とゲームをしてくださいました。

通級は、娘の小学校にはないので、隣の小学校に通っており、その通級の先生が、娘の学校の校長先生に連絡を取ってくださり、急遽、児童クラブに通っていない子どものための、学校での預かりに入れてもらえることになりました。

娘は、そこで新しい担任の先生と、授業ではないのですが、パソコンで調べ物をしたり、他の子どもたちとの活動に参加。徐々に、特性の悪目立ちは気にならなくなりました。今思い起こしても、やはり、子どもは、子どもどうしや、家族以外との交流が必要なんだなと思いました。

自分一人で抱え込まずに話せる場所へ

発達凸凹のある子は、ふだんとは違う環境だと、特に不安定になりやすかったり、その家族も不安や疲労が強まることが多いですよね。発達凸凹でない人たちだって、外出自粛で、かなり精神的に落ち込んだ人は多いはずです。

そんなときこそ、人と接する場所や手段、サポートする体制が大切なんだと感じました。当時の私は、毎日娘と二人きりで辛いことを夫には話していましたが、夫は自分の仕事で精一杯だし、まだまだ相談できる人は限られていました。幸い、通級の先生には、娘を通級に送迎するたびに、日々の様子や困りごとを話す機会があり、病院を紹介していただいたり、娘の発達のモヤモヤを少しずつ晴らしていくことが出来ていたんです。

今は、コロナ禍初期ほどの状況ではなくなりつつありますが、SOSを出したい人が、どこへ出せば良いのか、相談窓口が増えても、ちゃんと伝わっているのか?と気になります。はたまた、「これでSOS出して良いの?」と思っている人も多いはず。

私と娘が参加している「ダンボクラブ」という当事者と保護者の会でも、コロナ禍で活動はかなり制限され、月一の会合に参加するだけ。その月一会合も中止されたり、オンライン開催が多いのです。サポートや情報が必要な方に活動を知ってもらうため、活動報告をSNSなどで積極的に公開すれば良いと私は思うのですが、コロナ禍では、人の集まりをアピールするのは抵抗があるようです。それぞれの事情があって、マスクできない人もいれば、人と接する場が必要な人もいることを理解してもらえるように、何ができるんだろうかと考える毎日です。

本日も最後までお読みくださって、ありがとうございました。

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