『集客』より『顧客獲得』に力を入れる。
コレは私の持論なのですが、『集客』よりも『顧客獲得』の方が大事だと思っています。
私のサロンのスタッフの話です。
もう10年程前の話ですが、仕事に慣れ、自分のお客さまを持つ様になり、私のいう事は聞き流す様になった時がありました。
基本1対1で仕事をしておりますし、彼女のお客さまは私の顔をみると気を遣われる方もいらっしゃるので、普段はなるべく彼女に任せています。
ですから彼女が施術中にお客さまとどんな話をしているのかを私はあまり聞く事がありません。
彼女も顧客も持っていますし、毎週の様に来て下さるお客さまもいましたので、まぁそろそろ独立した方が彼女にとっても良いかと思い、思い切って彼女を店長としてサロンを出す事にしました。
最初は私が段取りをし、売上が順調になれば完全に独立をと考えていました。
私のサロンのお客さまでは無く、新しくお客さまを呼び込む為、広告媒体に載せたのですが、直ぐに体験客が毎日の様に来店される様になり、サロンは繁盛している様に見えました。
ですが売上を見ると、思ったよりも上がっていません。
まぁ最初は仕方ないと数ヶ月は様子を見ましたが、やはり忙しい割には売上が少ないのです。
高い広告費や家賃、彼女のお給料を払うと毎月赤字です。
でも毎日新しいお客さまはいらっしゃるので、彼女は『稼いでいる気分』です。
そんな状態が1年程続いた結果、私のサロンと統合する事にしました。
この結果の敗因は、彼女が『体験のお客さま』を『顧客』に変えられなかった事が原因です。
私は体験のお客さまを勧誘しませんが、7割の方が2回以上はいらっしゃっていると思います。
体験の時に、施術でも理論でもかなり『インパクト』を与えるので印象が残りますし、何と無く『暫く通わなきゃ!』という気持ちにさせているのつもりです。
彼女もそんなノウハウは、モチロン側で見てきたと思いますし、教えてもきましたが、『自分は上手くできているからもう学ぶ必要はない』と思っていたのだと本人もお店を閉めた後に気付いたそうです。
私のサロンのお客さまは長い方で30年、短い方で10年程。
最近ご紹介でいらした方が1年位。
長くやっていると、お客さまは親の介護や子供の受験などでいらっしゃれなくなる時期があります。
ですが、毎年2〜3人のお客さまが戻っていらっしゃるので、どなたかが抜けた穴は自然と埋まるので、あまり変動が無いのです。
若い頃、大きなお店をしている頃なんかは、毎月末の支払い時期になると胃の痛くなる思いをしていましたが、ここ10年以上はとても心穏やかにお仕事をさせていただいています。
そのウチのスタッフもそんな経験から、話を聞く耳を持つ様になってくれ・・・笑
今では、彼女が私のサロンで仕事をしていなければ絶対に知り合えない様なお客さまを沢山抱えて、マイペースにお仕事をしています。
売上を安定させる為にも『顧客獲得』が大事なのはモチロンですが、エステティシャンやセラピストは分かると思いますが、体験客は疲れます。
どんな方かも分かりませんし、同業者の嫌がらせもままありますし、気心の知れた顧客を相手にしている方がそりゃあ仕事も楽しいものです。
ですから『集客』の方にばかり力を入れては、その作業を含め疲れます。
安定した売上を作ってくれる大事な『顧客』を呼ぶ為の手段ではありますが、やはり長く付き合える『顧客』にする方に力を入れた方が、私は良いと思うのです。