ほんとうのこと
私の好きな小説の主人公は最後、死ぬ前に言う。「あかんかった」
それは心の中の「ほんとうのこと」を探ったあとのことばだった。
私がひとりなのは「ほんとうのこと」を誰にも言えないからではないのだろうか?幸い私には本当の事があると思う、ただ、汚れていたり、弱かったり、とあまり開示したくないことが悩みだ。ほんとうのことが汚れていたらどうすればいい?孤独になるしかないのだろうか?
SNSで他人の言葉とは簡単に繋がれるけれど、問題は「ほんとうのこと」とは繋がれないことだ。そして孤独を埋めるのは本当の事を話す以外にはないということなのだ。
双極性障害と診断される頃から他者との関係を断つようになり、
365日、妻以外と話さないというラブラブな状態が続いている。
そんな生活をしていると、いくらラブラブでも本当の事ばかり話している訳ではないことに気付く。LINEのやりとりでも敬語を使うようになったし、うつで辛くてもなるべく話さなかったり、以前より気を使っているなと思う。妻にさえこうなのだから、他者とほんとうのことを話すことはまだ私には難しそうだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?