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いろんな形の “はたらく” が当たり前になるように。採用人事の私にできること

私は現在カタリバの人材戦略チームに所属し、採用人事として日々応募者の方々とコミュニケーションを取っています。そんな私が「はたらき方」に対して抱いている想いについて綴ります。

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そもそも私はなぜカタリバへ入職することになったのか。そのきっかけは、学生時代まで遡ります。

中高時代は一貫校に通っていて、卒業後は大学進学以外の選択がないと感じていました。でも、高校3年の時、大学受験のために近くのコミュニティセンターで勉強するようになって、その思いに変化が。

コミュニティセンターには “新聞を毎日読みに来ているおじいさん” や “ドッジボールをしに来る小学生” など、世代も生き方も違う方々がたくさん来ていて、次第に言葉を交わすようになりました。
生き生きと話す彼らを見ていると、「大学へ行かなくとも楽しく生きていけるのに、なぜ私には進学の道しかないように見えているんだろう」というモヤモヤするようになったのです。

「人が楽しく生きていくための方法についてもっと探究したい!」
「福祉を知ることでそれをもっと知れるのでは……?」

そう思った私は、社会福祉系の大学へ進学しました。ただ、「興味関心に沿って学べた一方で、いざ就職活動となると「大手に行かなきゃ」「総合職ではたらかなきゃ」と中身のない思いが。私のなかにある選択肢は、結局中高時代と変わらないんだ……と、どこか悲しい気持ちになると同時に、なぜ自分は選択が増えなかったのか疑問を抱くようになったのです。

そこで、大手で!総合職で!という軸ではなく、他の軸で就職先を選ぶことに。
私は「もっと進路に関して多様な選択肢が増えればいいのに」と思っているけれど、世の中にあるはたらき方について全然知らないことに気づき、非正規雇用をメインにしている介護系の人材会社への就職を決めました。

はたらくなかで感じたのは、 “いろんな掛け算がないと仕事の選択ができない” という現実。

例えば、「介護職で20年ほどはたらいてきてキャリアアップしたいけど、ライフステージの変化で限られた時間や日数でしかはたらけなくなってしまった。いろんな人とコミュニケーションをとることができる仕事として介護が好きだったけど、利用者さんともお話する時間がない業務しか任せてもらえない」という方がいました。
こんな事例は日常にあふれています。

想い×やりたいこと×スキル×時間など、すべてが掛け合わさっていないと選択しづらい現実に、モヤモヤがつのりました。

そんなとき、カタリバのホームページをたまたま見つけて、採用ページを見てみると正職員や非常勤、業務委託、ボランティアなど、多種多様な関わり方があることを知りました。さらにキッカケプログラムの募集内容には、夕方〜夜にかけてのピンポイントでの時間帯、かつオンラインでもはたらけるとの記載が。

カタリバだったらどんな状況でもキャリアを重ねられるかもしれない。いろんな人の想いを形にしていく仕事に私も挑戦してみたい!と思い、入職することを決めたんです。

実際に入職してみると、カタリバは「意欲と創造性をすべての10代へ」というビジョンを実現するために15の事業があるので、掛け算の仕方はいろいろあることがわかりました。「この事業だったら希望の時間帯ではたらけるかも」「この職種だったら希望のポジションではたらけるかも」ということを考えて提案することができる。
掛け算のどこかが欠けていても、カタリバだからこそ上手くいくこともある。そこにやりがいを感じています。

入職して1年以上が経った今、私のなかには「人生の選択肢を増やしていきたい。その選択肢が当たり前の社会にしたい」という想いがあります。自分でも壮大な想いだなと思っていますが、日々、目の前の候補者の方の状況を理解し、対話を通してさまざまな選択を一緒に模索することは、きっと皆が楽しく生きていく未来につながっているはず。

例えば、オフラインではたらくことが当たり前の世界しかなかったら、ライフステージの変化によって日中ははたらけないとなった場合、仕事を一度やめなければいけないかもしれません。ただ、カタリバで業務委託として夜間だけはたらくという選択肢が取れると、その人のなかで世界が広がることもあるのではないでしょうか。

たとえカタリバから出たとしても、今後の人生において選択肢が広がった世界が当たり前になっていく……そんな人がどんどん増えるように寄与していくことは、ゆくゆくは世の中全体で選択肢を増やすための一助になるはず。そう信じながら、これからも候補者一人ひとりの背景に想像力を持ちながら、業務にあたっていきます。

今回のコラム担当:西山 珠子(にしやま・たまこ)/経営管理本部 人材戦略チーム
1995年生まれ、大阪府吹田市出身。立教大学在学時、くらしの相談ダイヤル等を運営する協同組合で約2年間インターンを行う。自身は選択しないはたらき方を選ぶ方々の背景が知りたいと考え、人材ベンチャー企業に入職。介護職人材派遣業に従事し、介護施設・病院と求職者とのマッチング、就業に関わるフォロー、大手クライアントに対して採用課題のヒアリング・プラン作成などを行う。その後カタリバへ転職し、現在は採用関連業務に携わっている。





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