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渋谷ではたらく社長の告白〈新装版〉


本について

読んだ本

二一世紀を代表する会社を作りたい――。高校生のときに抱いた起業の夢は、サイバーエージェントの設立により実現した。しかし、社長になった彼を待っていたのは、厳しい現実だった。ITバブルの崩壊、買収の危機、社内外からの激しい突き上げ……。孤独と絶望、そして成功のすべてを赤裸々に告白したノンフィクション。夢を追う人必読の書。

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とあるように、サイバーエージェントの社長が起業に至る経緯・企業から上場するまでの苦悩を告白した1冊です。

読もうと思った理由

いま、ご支援している企業はベンチャー企業が多いです。僕自身は起業もしたことがなく、いま所属している会社も入社する前にすでに上場しており、会社としての体制をととのえる・事業を絞る・上場企業になる、という段階を経験したことがありません。

そのため、経営者/経営層の気持ちがまったく想像もつかないです。そんな話を社内でしていたら、この本を薦めていただき読むことにしました。


感想

権力は役職ではなく持ち株比率で決まる

この本では、何度も持ち株比率の話が出てきます。正直なところ持ち株比率なんて考えたこともありませんでした。この本では、起業するタイミングで著者(藤田さん)がお世話になった企業が株式を50%以上保有することになります。そのことを理由に当初メンバーとは離れ、藤田さん1人で起業することになります。

ここで持ち株比率について全く無知だった僕はあまりピンと来なかったんですが、調べてみると持ち株比率=法人に与えられる影響力・権力であることがわかりました。

持ち株比率と権限について
参考:https://www.komon-lawyer.jp/column/other/column8/

社長=会社の全権を持っているというわけではなく、権限は持ち株比率で決まるものであり、会社法において「社長」なんて肩書はそれほど意味があるわけではないと感じました。

言い換えると、どの会社も持ち株比率を見れば、肩書・役割ではみれない金銭的な権力バランスが見えるのではないか、と思います。


持ち株比率から自社を見ると新たな気づきがあった

そこで所属している会社の大株主・持ち株比率を調べてみました。詳細は記載できませんが、以下の気づきがありました。

  • 実は役員層の中でも持ち株比率に差があって、社内の権力と株主としての権力には違いがあること

  • 機関投資家からの投資をうけるために銀行/証券が大株主として存在すること(信託口)

  • 個人投資家が大株主にいること

個人的には「お客様の成長を支援するために仕事をしている」という考えを強く持っていましたが、そもそも働く基盤(会社・給料・オフィス等)を作っているのは売上だけでなく、株主からの投資のおかげだと認識することができました。

目の前のお客様だけでなく、自社に投資していただいている株主のことも頭に入れながら改めて業務しようとおもいます。

再認識したお金の流れイメージ


「週110h働くと決める」のは興味深かった

一般的には、「仕事があるから・やらないといけないから働いた結果が110hだった」という話になると思いますが、藤田さんはそうではなく「週110h働く」と決めてたとえすぐにやらないといけない仕事がなくても、自分で仕事を生み出して働いていたようです。

たしかに、とにかく何か手を動かしたりいつもはやらないような仕事をやってみると新たな価値に気づくことがあります。おそらく著者にかぎらず他のハードワーカーも仕事を選べば大量の残業をしなくてもいいなか、あえてハードに働いてるのではないかとおもいました。

僕の体力・精神力では週110hも働くと死んじゃうので難しいですが、やることベースではなく労働時間ベースで目標を働く時間で決めて、その時間はとにかくいろいろやってみるのは良いと思ったので、まずは週50h(=月40h残業)を目安にやってみようかなと思います。


まとめ

経営者の苦悩・人生の一部を知ることができたとともに、働き方や持ち株比率についても学ぶことができ、とても学びの多い1冊でした。


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