見出し画像

牡丹造腰刀拵

現品は南北朝時代とされ、それを基に江戸時代に模造して作られたものが現在東京国立博物館にて展示されている。

オリジナルは以下。

画像出典:牡丹造腰刀 文化遺産オンライン
画像出典:牡丹造腰刀 文化遺産オンライン
画像出典:牡丹造腰刀 文化遺産オンライン


柄部を拡大したものが以下になる。
南北朝時代から既に超絶技巧の金工技術が用いられている事が伺える。

画像出典:東京国立博物館 画像検索
画像出典:東京国立博物館 画像検索

耳掻と呼ばれる部分が通常(以下画像)と異なり反対側に曲げられている「逆耳笄」という物が付帯しており、これは特に南北朝頃の古い笄に見られる特徴ともされている。(全部が全部そうというわけでもない)

画像出典:刀剣ワールド

オリジナルの笄は以下のような物である。

画像出典:真玄堂instgram

一見ボロ臭い刀装具だがこうした拵に付いていたのだと想像すると実にロマンがあるのではないだろうか。
今回の模造拵(と言っても江戸時代であるが)は金色の華やかなものであるが、これは大げさではなく製作当初は鍍金が剥がれていないのでこのような見た目だったと推測される。

界隈でよく言われる事であるが、「蝦夷」と呼ばれる金具には似たような風合いが出ているものもある。

画像出典:刀装具屋
画像出典:刀装具屋
蝦夷目貫
蝦夷目貫


そしてこのような蝦夷と呼ばれる金具を江戸時代の埋忠家がよく写している。笄にも埋忠家による写し物はあったはずである。

埋忠就一

写しの対象となるような物が果たして地方で製作された物だったかと言えば…なかなかそうは感じられず当時のいわば「都市部」で作られた最上級の品だったように感じてならないです。
蝦夷金具は最近見る事がめっきり減りました。
隠れた人気アイテムなのかもしれません。



今回も読んで下さりありがとうございました!
面白かった方はいいねを押して頂けると嬉しいです。
記事更新の励みになります。
それでは皆様良き刀ライフを!

↓この記事を書いてる人(刀箱師 中村圭佑)

「刀とくらす。」をコンセプトに刀を飾る展示ケースを製作販売してます。


いいなと思ったら応援しよう!