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2023年10月の記事一覧

現代刀は古刀に劣っているのか?

現代刀は古刀に劣っているのか?

鑑賞面で現代刀は古刀に敵わない、という意見を見たり耳にはさんだりしますが個人的には少し違う意見で、現代刀の一流刀匠の作を鑑賞会や刀剣店で見る分に、同レベルの部分もあるし、敵わない部分もあれば反対に勝っている部分もあると思っており、細分化して比較議論すべきではと感じている次第です。
とはいえ全ての現代刀に言えるわけではなく、やはり出来の良いものに限られますが。

まず同レベルと感じる部分は匂口や地景

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ぼーっと…刀鑑賞。

ぼーっと…刀鑑賞。

ただ何を考えるわけでもなく、ぼーっと…刀を鑑賞。

疲れた時、何も考えたくない時、刀を見ているとモヤモヤした気持ちがすっきりしたりします。

日々の小さな選択が積み重なることでいつか人生の大きな方向性を決める岐路が現れ、そこでの選択次第で自分という人間の大きな方向性が決まっていくようにも感じます。
小さい頃から物を作るのが好きでしたが、例えば「今日は木でクワガタを作ろう」という小さな選択の積み重ね

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大刀剣市2023のカタログで気になった品など

大刀剣市2023のカタログで気になった品など

昨日こちらのサイトにて11/18~11/19に東京美術倶楽部にて予定されている「大刀剣市2023」のカタログが掲載されました。
お店が出店予定の名品が数多く掲載されている事もあり、カタログというよりも販売されている「名品図録」と言った方がしっくりくるかもしれません。
私自身もこのカタログが発行されるのをいまかいまかと待ち望んでいた1人です!

という事で今回も金額気にせず早速個人的に気になった刀や

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5振目位から増やす事に抵抗が出てくる

5振目位から増やす事に抵抗が出てくる

日本刀を初めて買うのに要した時間は約半年位だろうか。
これは刀のマナー講座や鑑賞会に参加したり刀屋さんへ行き始めたりと、刀を買うに当たって真剣に行動を起こし始めてからの期間である。
故にそれよりも前、日本刀に漠然とした憧れがあって図書館で刀の本を手に取って読んでみたり、オークションサイトで買おうか検討したりした時は高校生であったので、それを含めれば日本刀を初めて買うのに要した期間は16年、とかにな

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小刀に付いた謎の凹み

小刀に付いた謎の凹み

所持している小刀には樋の横に凹みのようなものがあります。

この凹みが何なのか。
「日本の美術1 NO332 日本刀の拵 至文堂」には日光助真の小刀が掲載されていたが、ここに付いた凹みは樋と同じような太さの物で、卵型の凹みとは異なるように見えます。

Xでは、凹みの中に銘などを入れる事で研ぎ減りなどから銘を防ぐ用途で入れられたと思われる物もあるとの事であるが、今回のものは凹み部に銘が入っていない為

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Swords and People: Fascinating Encounters at a Japanese sword Shop

Swords and People: Fascinating Encounters at a Japanese sword Shop

Today, I visited Sokendo at the Imperial Hotel in Tokyo after a long time.
Of course, the purpose of going to a sword shop is to see swords, but there are days when you encounter swords that you fall

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網屋のミニ刀

網屋のミニ刀

今日は虎ノ門にある日本刀剣さんへ行ってきました。
虎ノ門と言えば虎ノ門ヒルズ。お店の直ぐ近くにあるので下から見上げて見ましたが、ぐにゃり、としていたんですね。
普段見ない所に視線を移すと知らない光景が見えたりして意外に面白いですね。

虎ノ門ヒルズ駅のA2a出口を出てほぼ目の前に見えるのが、「日本刀剣」さん。歴史の長い刀屋さんで場所柄もあってか海外のお客さんも多く見られます。

早速店内をウロウロ

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刀と人、刀剣店での面白き出会い

刀と人、刀剣店での面白き出会い

今日は久々に帝国ホテルにある霜剣堂さんへ。
刀屋さんへは勿論刀を見に行くわけですが、惚れこむような刀との出会いもあれば、自分とは年齢も仕事も生き方も全く違う様々な方々との偶然的な面白き出会いもあります。
今日は後者の日でした。

店内は行く度に展示刀がちょこちょこと変わっているので楽しめます。
今日は濤瀾刃の助直の刀が目を引きました。
刃中に金筋が掛かるあたりが助広の濤瀾刃と異なる、というのは先日

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今後海外の方が日本刀研究が進みそう

今後海外の方が日本刀研究が進みそう

日本刀の専門書は日本のみならず海外からも出版されています。
例えば以下は2019年にDmitry Pechalov氏により発刊された相州伝日本刀名作(JAPANESE SWORDS SOSHU-DEN MASTERPIECES)という本で、相州伝の始まりとされる刀工(助真や助綱)や、相州伝を代表する刀工(新藤五国光や、行光、正宗、貞宗、廣光、秋廣)をはじめ正宗十哲とされる郷義弘や左文字、長谷部、金

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刀について知るほど「光忠見せて」が言えなくなる現象

刀について知るほど「光忠見せて」が言えなくなる現象

もう数年前に聞いた噂程度の話、どこまで事実であるか分からないですが、刀剣ブームに合わせて若い女性と思われる声の人から刀剣店に「五条国永」ありますか?と電話があったり、ふらっとお店に「光忠ありますか?」と訪ねてきたりした事があったという話を聞いた事があります。
私も私でまだ刀を持っていない時、それこそ刀の相場観というのが一切なく、刀工は正宗、村正、虎徹しか知らない時に、たまたま刀剣店のHPに参考品と

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東美アートフェア2023へ

東美アートフェア2023へ

東美アートフェア2023が10/15まで東京美術倶楽部にて行われているので行ってきました。
茶器や絵、書、漆器、仏像から現代アートまで、簡単に言えば骨董全般の展示即売会とでも言うべきものでしょうか。
今回の目当ては日常使い出来そうな茶器や絵、仏像などでしたが、なんと日本刀もありました。

・仏像仏像は最近指サイズの小さな仏像を手に入れた事から少しだけ興味が出てきまして。
正直何も分からないのですが

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刀の入札鑑定について思う所

刀の入札鑑定について思う所

刀の入札鑑定についてXで意見が飛び交っていますね。
私もガチ初心者の時(正宗と虎徹、村正しか名前を知らない時)に入札鑑定してみて、と言われて困惑した経験があります。
数日前に現代刀を手に取って見たばかりで、なにせ古い刀を手に取るのは初めてなので正直全然分からない。
取りあえず全て虎徹と書きましたが、全部ハズレ。
解答を聞いても誰それ状態。
解説を聞いても、専門用語が多すぎてお経のように聞こえる。

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刀のココを見ると時代が分かりやすい

刀のココを見ると時代が分かりやすい

茎を隠して行う日本刀の入札鑑定では、まず時代を捉える事が大事と言われたりします。
では刀のどこを見ると時代が分かるのかについて、私が教えて頂いた話であったり、個人的に感じた部分を書いています。
私自身の話で言えば、刀の個銘を当てることはまだまだ出来ませんが、「時代違い(製作時代を間違える事)」を指摘される事は無くなってきたので、ある程度見方は正しい気がしています。
勿論より精度を上げて判断出来る見

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10月4日は「日本刀の日」

10月4日は「日本刀の日」

今日は10月4日。
とうしょう(刀匠)の語呂から「日本刀の日」と呼ばれているようです。

Xでも早速ハッシュタグが付けられて沢山投稿されていますが、なんとこの「日本刀の日」は、全日本刀匠会が一般社団法人記念日協会という所に「10/4を日本刀の日にする」という記念日申請をして、正式に認定された記念日だそうです。

早速記念日協会のサイトも確認して見ると、ありました!

どんな日本刀も最初それを作った

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