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刀箱師の日本刀ブログ 中村圭佑
2024年4月11日 22:20
今回紹介する鐔は無鑑査鐔工、成木一成氏により平成4年に作られた信家写の道歌鐔。刀連全国大会の天位賞で送られた鐔と箱書きがあります。この本歌は以下になります。表裏それぞれ並べて見ます。櫃孔は後世開けられたものと思われるので、写の方は製作当初の形を再現するためか櫃孔は開けられていません。この鐔は平成作でいわゆる成木氏の作風が確立した頃の作と見られ、トロンとした艶やかな地鉄をしている。
2024年4月9日 22:36
今回紹介するのは昭和54年(己未)に作られた古刀匠鐔を写した鎌透かしの板鐔。成木氏は昭和53年から自家製鋼による鐔作りを開始している。箱は無いが銘の形はこの時期のものと一致しているし、まず成木氏が製作した鐔で間違いないと感じる。縦104㎜、横103㎜、厚み2㎜(耳、切羽台共)と大型。こちらは常に見る成木鐔とは鍛が明らかに異質で、一言で言えば泥を乾燥させたような肌をしている。爪ではじくとカ
2024年4月8日 22:30
好きすぎる成木鐔の紹介が止まりませんが、手元にある成木鐔でまだ紹介していない物がいくつかあるので気が向いた時に載せていきます。今回は有名な赤坂鐔の鉢木透写の鐔になります。謡曲の「鉢木」の物語を比喩した図柄です。箱書きは無いのですが、鉄の質感や銘の書体から平成頃の作と思われます。成木さんの作は高温で熱する為か側面に鍛割れが出ているのが多いのですが、こちらの作も出ています。むしろこれがあ
2024年4月3日 02:10
以前取り上げた蛇鐔に加えて、個人的に成木鐔の傑作に感じているうちの1枚を紹介してみる。