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哲学カフェで見つけた、「自己肯定感」に代わる言葉
先日の哲学カフェで良い収穫がありました。ここ数年でよく聞くようになった「自己肯定感」という言葉。参加者の皆さんと、それに関連する言葉や捉え方について話し合ったことを記録しておきます。
最初の話のテーマは「自己肯定感って高い方が良いの?」だったのですが、次第に「自己肯定感ってどういうこと?」「"自己肯定感"の他に、良い表現があるのでは?」という方向へ移っていきました。
「自己肯定感」という言葉はあまりにも流行りすぎていて、皆さんは食傷気味なようでした。だから、もっと私たちが求めるものに近い言葉を探し始めたのです。
結果、「自己肯定感」に近いイメージの言葉が3つほど挙がりました。
・自己受容
・自尊心
・ポジティブ信者(ポジティブシンキング)
「自己受容」のイメージは、自分の良いところも悪いところも受け入れること。特に自分のマイナス部分を受け入れて「0」に近づけることなんじゃないか、という意見が出ました。
「自尊心」は自分を大切にすること。英語にするとプライドだけど、なんだかしっくりこないね、と。自尊心はプライドという言葉の響きほど偉そうなイメージはないよね、という空気感がありました。
そして「ポジティブ信者」はあまり良いことじゃなさそう、という意見が多かったです。「ポジティブであらねばならない」という考えを周りに押し付けるイメージが強いせいかもしれませんね。
私の意見としては、自分の頭の中で何を考えるのかは、その人の自由だと思います。しかしそれを実行するとなると話は別です。例えば、社会のルールやマナーから逸脱した思想を持つのは自由ですが、それを実際に行ってしまうと問題が出てきますよね。
だから、ポジティブであろうとすること自体は好きにして良いけれど、それを周りに強制するのは良くない、と私は思います。
一方で「ポジティブ信者」は物事の良い部分だけを猛烈に信じすぎた結果、浮世離れした行動につながりそうで危ういんじゃないか、というような意見もありました。今は情報社会ですから、さまざまな価値観に触れる機会が多いですよね。だから、視野の狭さにネガティブなイメージを抱く人も多いのでしょう。
「自己肯定感」に代わる言葉は「自己受容」
話し合いの結果、「自己肯定感」の代わりとなる言葉は「自己受容」に落ち着きました。じこじゅよう…何だか語感が優しい感じがしませんか。静かに自然体で受け入れるようなイメージです。
最近の社会的な風潮として「ありのまま」「無理しない」ことを好む傾向がありますよね。だから静かに受け取るだけの「自己受容」は、現代を生きる私たちにしっくりきたのかもしれません。
そして、最初のテーマ「自己肯定感って高い方が良いの?」についての答えは、「高くなくても良い」となりました。この答えにいたったエピソードがあまり記憶に残っていないので、きっとサクッと決まったのだと思います。
なぜなら皆さんはこの議題への関心が低く、一番の収穫は「自己受容」という言葉に辿り着いたことだ、という空気感があったからです。
言葉の意味や定義について話し合う…それは必ずしも辞書的に正しくなくてもかまわない。それが哲学カフェの良さなんだなと思いました。
ちなみに今回の哲学カフェでは、私自身の発言量は少なかったと思います。皆さんの話についていくのがやっとだったからです。だから帰る道すがら、自分の意見をまとめました。
答えを出すのに時間をかける、そんな私の性質はホロスコープに表れており、自覚もあります。だからネガティブに捉えたりはしません。哲学カフェのルール的にも問題はないですしね。こうした「自分には○○な部分がある」とありのままに受け入れることが、自己受容なのかもしれませんね。