【『般若心経秘鍵』序文（現代語訳と解説）】　記事担当：天聞

2025年1月28日 16:55

『般若心経秘鍵』序文（現代語訳と解説）

1. 文殊の利剣と覚母の梵文

原文: 文殊の利剣は諸戯を絶つ現代語訳: 文殊菩薩の知恵の剣は、すべての迷いを断ち切ります。

文殊菩薩は仏教において知恵を象徴する菩薩であり、その剣は煩悩や無明（無知）を断ち切る力を持つとされます。この言葉は、仏教が真実への道を開くものであることを強調しています。

原文: 覚母の梵文は調御の師なり現代語訳: 大般若経の根本にある教えは、心を調え導く師となります。

「覚母」とは大般若経のことを指し、この教えが私たちの心を正しい方向へ導くものだと述べています。

2. 仏法は心の中にある

原文: 仏法遥かに非ず、心中にして即ち近し。現代語訳: 仏法は遠いものではありません。心の中に常にある近いものです。

仏法は外に探し求めるものではなく、自分自身の心の中にあると教えています。この考え方は、仏教の核心的な教えであり、修行や悟りは外的な条件に左右されないということを示唆しています。

原文: 真如外に非ず、身を棄てて何くんか求めん。現代語訳: 真理（真如）は外にあるのではなく、自分の中にあります。自分自身を離れて、どこにそれを探すつもりですか？

ここで「真如」とは、物事の本質や真理を指します。仏教では、それを外部に求めるのではなく、自らの心の中に見出すべきだと説いています。

3. 哀れなる哉、長眠の子

原文: 哀れなる哉、哀れなる哉、長眠の子。現代語訳: ああ、なんと哀れなことでしょう。深い眠りの中にいる子どもたちよ。

ここでは、真実を知らず迷いの中で生きている人々を「長眠の子」と表現しています。この表現は、悟りの目を閉ざして生きている状態を指しています。

原文: 苦しい哉、痛ましい哉、狂酔の人。現代語訳: なんと苦しく、なんと痛ましいことでしょう。迷いの中で酔いしれている人々よ。

「狂酔の人」とは、煩悩や無明に囚われている人々を指します。この部分では、仏法を知らない人々の苦しみを仏が憐れんでいる姿が描かれています。

4. 般若心経の要点

原文: 大般若波羅蜜多心経といっぱ、即ち是れ大般若菩薩の大心真言三摩地法門なり。現代語訳: 『般若心経』とは、大般若菩薩の深い真言と瞑想（サマーディ）の教えをまとめたものです。

『般若心経』は仏教の核心的な教えであり、智慧（般若）を中心に、悟りに至るための実践的な教えを示しています。

原文: 文は一紙に欠けて、行は則ち十四なり。現代語訳: 経典は一枚の紙に収まるほど簡潔でありながら、その教えの行（実践）は十四の項目に及びます。

『般若心経』は短い経典であるものの、その内容は非常に深く、多くの仏教の教えを内包していると説いています。

5. 経典の深い意味

原文: 一一の声字は、歴劫の談にも尽きず。一一の名実は、塵滴の仏も極めたもうこと無し。現代語訳: 『般若心経』の一つひとつの言葉は、どれだけの時間を費やしても尽きることはありません。その一つひとつの名前と本質は、無数の仏でさえも極め尽くすことはできないのです。

般若心経の教えは非常に深く、無限の意味を持っていることを強調しています。この教えを学ぶことで、私たちは苦しみから解放され、悟りへの道を歩むことができます。

目的と真意

『般若心経秘鍵』の目的は、般若心経に隠された真の意味を解き明かし、仏教の核心的な教えを広く伝えることにあります。その真意は、「仏法は外に求めるものではなく、自分自身の心の中にある」という普遍的な真理を示し、すべての人々が悟りの境地へと至る手助けをすることです。

また、空海はこの書物を通じて、般若心経が単なる顕教の経典にとどまらず、密教の深遠な教えをも内包していることを明らかにしようとしました。その結果、般若心経を読む人々に対し、新たな視点から仏教の真理を伝えることを意図しています。

【カタカムナウタヒ８０首　改訂版】
PDFを無料でプレゼントしています。

ぜひこの機会にダウンロードしておいてください。
LINEに登録することでダウンロードできます。
https://line.me/ti/p/%40941pvezs

◾️カタカムナ学会最新情報はこちら:
https://futomani88.com/new

◾️カタカムナ学会公式HP
https://katakamuna-ac.com/

◾️日本人協會AIA HP
https://nihonjin.or.jp/

■TikTok
・カタカムナ言靈の部屋　てんもん
https://www.tiktok.com/@tenjininmon

いいなと思ったら応援しよう！