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【クリエイティブ生活】ファンタジー背景世界の作り方〜創作論にただ一つの正解はない【その10】

 ファンタジー別世界を創造するcreatorの皆さん、このシリーズを読んでくださってありがとうございます。

 これまでの記事はマガジンにまとめてあります。


 これを絶対に言っておかねばなりません。

 小説を(あるいは他の創作物でも同じですが)書くにあたって、絶対の正解はありません。何事にも必ず例外はあります。

 小説を仕上げるにあたって、一定の型ややり方があり、めちゃめちゃに書けば小説としての体を成さない。それは事実です。

 もう一方で別の事実があります。小説の書き方には絶対の正解はありません。プロのベテラン作家でも、小説の書き方の完全なる正解を教えることはできません。

 特に初心者向けの講座などは、初心者に分かりやすくするために、比較的高度な技法や例外的な作品にはあえて触れないことも多いのです。

 実際に、作家さんご自身がご存知ない場合もあるでしょう。専門家は専門領域以外は知らないものです。たとえば、推理作家は恋愛小説の書き方はご存知なくても仕方がありません。

(あたかも恋愛小説も教えられるかのように看板を掲げたならば、受講者に対して誠実であるよう願いますが。もちろん、受講者の側も先生をよくよく選ぶ必要がありますね)

 だから、私のこれらの一連の記事も決して鵜呑みにはしないでください。いくらでも例外はありますし、私が知らないゆえに書けなかった事実もきっとあるでしょう。

 あくまでも一つのやり方に過ぎません。それだけです。

 自らの手で今からそれをお見せします。

 前回の記事で私はこう書きました。

「今、ラスボスとヒーローの戦いが始まろうとしているのに、その街の一般人に好まれているグルメ情報など、関係のない情報を出す必要はありません」と。

 必要はありません、であって「出してはいけない」とは書いていませんが、出してはいけないかのように受け取る方もおられるでしょうね。

 結論から言います。出してもかまいません。絶対に駄目なんてことはありません。試しに書いてみましょう。

〜以下、小説化〜

 ダークネスは余裕しゃくしゃくの笑みを浮かべた。このビルの中には三十人の人質がいる。屋上で派手に戦いを繰り広げれば、ヒーロー自身の手で無辜(むこ)の人々を巻き添えにする羽目になる。

 それでもヒーローの立場からすれば些細(ささい)な犠牲のはずだ。

「君は私にこの街を支配されたくはないのだろう? この街には三百万人の人々が暮らしている。そうだ、今も平和に、ホットドッグなんて食べているよ。君も食べたかな? 街角グルメで知られたあれだよ。キャベツたっぷりで、酸味の強いトマトソースがかかっているやつだ」

 ダークネスはもう一度笑った。今度は声を出して。

 できない。ヒーローは、決してこんな単純な功利主義には走れないのだ。英雄と言われる男なら、あるいはやるのかも知れないが、ヒーローにはそれは許されないのだ。

 それが足かせとなる。

〜小説化終わり〜


 と、このように、絶対に駄目なんてことはないのです🌿

 ここで街角グルメ情報を出した効果もありますね。ヒーローが助け出さなくてはならない無辜の人々の、平凡ですが大切な日常の象徴なのです。

 それをもてあそぶかのようなラスボス、ダークネスのいまいましさも表現してみました。

 いかがでしょうか?

 というわけで、絶対に駄目なんてことはないのです。

 さてさて、ひとまずこの一連の記事も終わりです。また気が向けば何か書くこともあるかも知れませんが。

 ここまでお読みくださってありがとうございました。あなたのクリエイティブ生活のヒントになれば幸いです。

 全ての小文字のcreatorに幸いあれ! 

 Good Luck。

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