【ハイファンタジー小説】復讐の女神ネフィアル 第6作目『ため息の響く丘』 第5話
アルトゥールは、近くにあったエメラルドの石柱を、メイスで叩き折った。比較的、細めの石柱であるが、渾身の力でなくては砕けない。
その時、欲は無く、うかつさも無い。ただ集中して無心にメイスを叩きつけたのだ。濃い色の緑の宝石の柱は、砕けて欠片を辺りにばらまいた。その一つ一つが、もしも手に入れられるなら半年は遊んで暮らせるほどのひと財産だ。ここにいる者たちは、全員目もくれない。
砕けた石柱の上部は《風の魔術師》の方に倒れ込んだ。
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