【クリエイティブ生活】ダンセイニ幻想文学の短編『野原』の感想
こちらから、ロード・ダンセイニの短編『野原』を読み終わりました。
ロンドンの郊外、緑と花々と小川の穏やかな野原、しかしそこには何故か心を落ち着かなくさせる『何か』があった。
その何かが何であるかは最後で明らかになります。
これを読んで思い出したのが、児童文学の『トムは真夜中の庭で』が日本でも有名なアン・フィリッパ・ピアスの作品です。
悲劇を味わった人々の思いはその場に残り続けるといったテーマが共通しています。英国の作家にはおなじみのテーマなのでしょうか。幽霊譚が大好きな英国人ですが、思念もまた後に残って幽霊のようなものになり得るといった発想がなかなか面白いと思うのです。
展開はまずは、大都市であるロンドンと、郊外の美しい自然との対比の描写から始まり、次に主人公つまり語り手が、その美しいはずの場所に、得も言われぬ違和感を感じつつ、その場を訪れ続ける筋運びとなります。そしてラスト、ある人物の口から真相が明かされます。
複雑な謎解きはないだけで、推理小説の筋運びとも通じる部分はあると思いました。ダンセイニの推理小説短編については、こちらをどうぞ。
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。あなたのクリエイティブ生活のヒントになれば幸いです。
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