【サスペンス小説】その男はサイコパス 第3話
遺言書の書き方にはいくつかある。どれを選ぼうと自由ではあるが、弁護士や行政書士などの専門家の助けを借りて遺言書を作成し、次に公証役場で公務員である公証人に見せ、法的に有効な物として厳重に保管してもらう。死後のゴタゴタを避けるには、これが一番のやり方だろう。
と、知也は考えているがそのまま告げるのは無神経だ。オブラートと修辞に包まねばならない。面倒だとは思わなかった。あまり。新しい仕事の始まりだ。いかに自分の冷淡な本性を隠して感じよく振る舞うか、考えるのは楽しかった。