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かすみを食べて生きる89:半球でもいいんじゃなかろうか

脳梗塞 発症2か月と26日目:リハビリ病院3か月目⑤

食事:脳梗塞(ワレンベルグ症候群)の後遺症のため、嚥下ができなくなり訓練中。食事形態はミキサー食からみじん食を経て、先週3食常食(普通食)にたどり着いた。首を左に向けると飲める。
状態:歩けるようになってきた。終日、館内フリー歩行自立。きょろきょろすると少しめまいがする。

退院に向けいろいろ締めに入る中で、作りかけのあれも決着をつけた。
退院まであと6日。

『かすみを食べて生きる 序文と目次』
<発症2か月と25日目:リハビリ病院3か月目④
 
発症2か月と27日目:リハビリ病院3か月目⑥>


朝ごはん#32

嚥下訓練中につき、食事は退院目前の今でも一番の訓練。
今日も頑張れ、朝ごはん。

お豆がいっぱい

朝のおかずは品数は少ないけどしっかりした量。
献立はこちら。

  • 大豆サラダ

  • バナナ

  • ジョア

  • 味噌汁

  • 軟飯

  • 梅干し

大豆サラダ、お豆がいっぱい。
口に入れ過ぎてふいに飲みこまないように気をつける。
豆ににんじん、きゅうり、小さく切ったチーズも入ってマヨネーズで和えてある。
食べやすいし栄養も摂れそう。
覚えておこう。
所要時間は50分。
まずまずのタイム。

半球でもいいんじゃなかろうか

お向かいのベッドの門田さん(仮)に教わった折り紙のくす玉。
コロナ疑いでカーテン隔離になった時に、躍起になってパーツの花を4個作って以来、まとまった時間を取れずにいた。

しばらく飾られている4つの花

12個作ればくす玉になるらしい。
この4つ作るのに1時間程度。
あと8個作ろうと思ったら2時間。
うーん、ちょっと時間が足りない。

くす玉にすると置き場所にも困りそうだし、あと2個作って半球にするのはどうだろう。
そう思い立ち、リハビリの合間にあと2個花を作る。
門田さん(仮)に組み方を教わって、完成!

折り紙の半球

ビタミンカラーに青系も入れて涼しげに。
さっそく門田さん(仮)に見せる。
「あらいいじゃない。裏に厚紙をつければ壁にも飾れそうね」
お褒めの言葉をいただいた。

お昼ごはん#45

今日はパンを試すことになっている。
通常の献立では朝に出るけど、嚥下機能的に食べることができるか確認も必要なので、お昼に出してもらうことになった。
久しぶりのパン!大好きなパン!

久しぶりのパン!そしてとんかつ!

あ!勝手に食パンを想像していたけど丸パンだった。
献立はこちら。

  • とんかつ、和風マカロニ添え

  • トマトとブロッコリーのサラダ

  • フルーツ缶

  • パン

しかもメインデッシュがとんかつ!
まずは久しぶりのパン
柔らかいから食べやすいけど、他のものに比べて歯にくっつく。
牛乳かスープがほしい。
水分がないと、飲みこみはしんどい。
お茶でしのぐ。
そしてとんかつ
わりとしっかりした豚ヒレ肉。
がっつりかまないと飲みこむことができる状態ならない。
食べ応えはある。お肉をがっつく喜び!
所要時間は1時間5分。
久しぶりの1時間超え。
顎が少し痛い。
おなかはパンパン、満足度は高い。
よく食べた!

水のみ練習

現在私は左ののどに麻痺があるため、飲み込みの際は左を向いて麻痺している側をふさいで、飲食物をのどの右側に通している。
これを正面(正中)で飲み込みができるようになるべく、並行して訓練をしている。
午前と午後。各10口。2ml程度の水を首を正面にした状態で飲み、その成功確率を記録している。

水のみ練習の記録

一度の嚥下ではのみこみ切れず2~4回の追加嚥下でなんとかのどを通す。
のど残りを感じたら首を左に向けて追加嚥下をしてクリアランスする。
それでも残るようなら少しむせて咳で出す。
水がのどを通る時、のどの右側か左側か真ん中か、どこを通るかを感じとる。

疲れのない午前中の方が確率がよく、今日は午前中が7割、夜が4割。
まだなかなか厳しい。
退院後も引き続き自主練が必要となりそう。
打率のいい午前中は、少しずつ水分以外のものも正面で試していきたい。

夕ごはん#25

お昼はかなり頑張って食べたので、夜は少し楽に食べれるとうれしい。

献立はこちら。

  • えび玉あんかけ

  • ほうれん草のゆず和え

  • 味噌汁

  • 軟飯

えび玉あんかけ、あんかけがとろみの役割をしてくれるから食べやすいのだけど、中にえび以外にも具材が入っていて、それが少しのどにひっかかる。
食べやすそうに見えて、しっかり噛む必要がある。
ほうれん草のゆず和え
これまでほうれん草は繊維が硬めで飲みこみにくかったのだけど、お昼に豚ヒレ肉を噛みまくった今、ほうれん草の繊維が楽に感じる。
食べにくいものを食べた後に、他のものが食べやすくなる現象発生。
それでも所要時間は1時間。
昼のとんかつの疲れが抜けきらなかった感がある。


ーー振り返って

折り紙のくす玉。半球で完成。
球体にするのはあきらめかけていたので、落としどころが見つかってよかったです。
家に持って帰っても半球なので戸棚の上に置いておくこともできて、結果オーライでした。

毎日食事の記録を取っていました。
発症まで、食事をしていて野菜や海藻の繊維が気になったことや、飲みこむ時にどこまで噛めばいいか、ということをそこまで考えたことはありませんでした。
食事の見え方が変わりました。
食事を前にして、嚥下的にまず気をつけるべきポイントはどこかを見るようになり、それも徐々に慣れてきて、今はパッと見て危険なポイントがわかるようになってきました。

何かに困った時はしんどくなるので、一度、観察、測定、記録に徹するようにしています。
今回だとスケジュールの記録、嚥下訓練の記録、食事の記録、バイタルの記録、摂取水分量の記録、起きた事、自分の状態、思ったこと・感じたこと。
今まで体験したことのない状況だったので、ひとまず自分の中で基準を作って、条件をそろえて記録をためて、自分なりに現状を把握していくことをしていました。
そうすると何となく、変化や法則性が見えてきたり、見えなかったりします。
あと記録することが忙しいので、しんどい感情をとりあえず横においておけるという効果もありました。

発症当時は幻聴や変な夢を見たりと脳がバグっていてしんどい時期がありましたが、リハビリをするようになって少しずつ頭が回るようになったのはありがたいことでした。

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