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私たちの選んだ里親という選択~自分の決断を伝える~

【メタ認知の智層 新エピソード配信】
里親への道 - 実践と知識の融合

里親研修を受講し、養育里親になるための準備を進めている私(妻)の新エピソードを公開しました!

今回は特別企画として、里親制度や児童福祉に関する重要書籍の読書感想をお届けします。現場の知識から制度の歴史まで、幅広い視点の書籍を読みつつ、半分は私の自分語りに終始しています。

参考文献
●『里親養育と里親ソーシャルワーク』庄司 順一 他 編著(2011年、福村出版) 
●『里親と特別養子縁組 制度と暮らし』林 浩康 著(2024年、中央公論新社)
●『日本の児童相談所──子ども家庭支援の現在・過去・未来』川松 亮 他 編著(2022年、明石書店)

▼ご視聴はこちらから▼ https://creators.spotify.com/pod/show/f0bfrq086hg/episodes/73-e2vcqvs

里親に関心のある方、子どもの福祉について考えたい方はぜひお聴きください!

さて、ラジオをとり終えた後の話です。

私が今日お話ししたいのは、その物語ではなく、私たち夫婦の決断についてです。まずは私たちの歩みを知ってほしいと思います。

4年前(2021年秋くらい)、私と夫は付き合い始めてから二人で真剣に考え、何度も話し合いを重ねました。そして、私たちは実子を持たない道を選びました。その代わりに、家庭を必要とする子どもたちの力になれないかと考えたのです。

この決断を近しい血縁家族に伝えるのは、正直なところ私はとても恐れていました。手紙という形で最近やっと伝えることができたのですが、そこに至るまでの心理的な壁は想像以上に高かったのです。

というのも、私は20代後半くらいから、子ども(孫)を望むというメッセージをずっと家族から受け取ってきました。言葉で直接的に言われるというよりも、日常のちょっとした仕草や行動の中に含まれた期待感です。例えば、母は私と夫に対して、言わば「子宝祈願」をしていたようなものです。

ある日、単なる腹痛と吐き気を訴えただけなのに、「妊娠してるんちゃうん?検査キット買ってきたら?」と興奮気味に尋ねてくる母。それも義妹と義弟の夫婦におめでた話が出たタイミングだったので、「うち(娘夫婦)はどうなん?」という母のソワソワ感は限界突破していました。

2025年の正月に実家に帰省した時には、お風呂に乳幼児が喜びそうな亀のおもちゃが浮かんでいるのを発見して困惑しました。そして父は、いつからか旅行のたびに「ぬいぐるみ」を購入し、「俺の孫」と呼びながら見せびらかすようになり、家はぬいぐるみであふれかえっています。

こういった家族からの暗黙のメッセージもとい圧力を独身だった20代後半から長年受け取ってきた私にとって、「実子を持たない」という決断を伝えることは本当に怖かったのです。

おそらく祖父母(100歳は越えている)や親(もうすぐ70代)の世代には、「結婚すること、子どもを持つこと」が当たり前の人生の流れなのでしょう。私もそれを否定するつもりはありません。

正直に言えば、近しい友人や、親戚が子どもを生み、その子たちと触れ合ったり、話を聞く機会があると、本能的に子どもが欲しくなる瞬間もあります。しかし、私たちはそれを選ばないと決断しました。この選択は私たち夫婦の個人的なものであり、それぞれの家族にはそれぞれの選択があるのだと思います。

私たちは別の形で子どもたちと関わる道を模索し、妻の私が先に里親の研修を受けました。

里親制度とは、様々な事情で実の親と暮らせない子どもたちを、家庭で育てる制度です。「社会全体で家庭を支援し、公的機関が親による子育てが難しいと判断した場合は、公的機関(施設など)や研修を受けた人間が子どもを育てる」—それが「社会的養護」や「社会的養育」と呼ばれる考え方です。詳しくは子ども家庭庁のサイトにあります。

子ども家庭庁 社会的養護

夫は福祉の専門職として、放課後等デイサービスや児童養護の入所型施設でサビ管として6年以上、子どもたちに関わってきました。その経験も私たち二人のの決断に大きな影響を与えています。

なぜ実子を作らないか、その詳細な理由については今回は触れませんが、様々な要素が絡み合っての決断です。なお、母からは不妊治療も勧められましたが、それは私たちの選択とは異なる道でした。

私たちの決断は、決して誰かを否定するものではありません。ただ、自分たちなりの方法で社会や子どもたちと関わっていきたいという願いから生まれたものです。それを理解してもらうのは難しいかもしれませんが、少なくとも私たちの思いを知ってもらいたかったのです。

この決断を公にすることで、同じような選択をしている方々や、選択に悩んでいる方々の励みになれば嬉しいです。そして何より、「正解」は一つではないということ、それぞれの家族にはそれぞれの幸せの形があることを伝えたかったのです。



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