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私もそっちの世界のはずだったのに

「夢は小学校の先生になることでした。」

自分の外見を気にしたことはなかったし、日焼けしようが足に擦り傷ができようが気にしなかった。

夏休みの宿題は一気にやっていたし、図工も家庭科の宿題も小学3年生ながら徹夜で完成させていたのを新レコードと呼んでいた。

おままごとするなら、ドッジボールをしたかった。行きたくもないスイミングスクールにも泣きながら通った。

成長するにつれ、1人になりたくなった。誰も私のことを知らない世界に行きたかった。

「今何してんの?」という質問にうまく答えられなかった。笑い声が左耳から聞こえてきたが、喉に詰まりそうになった磯辺揚げを好きでもないアルコールで流し込んだ。

みんなが飲んでるから
みんなが働いてるから、働いていないのは異常者だ。

遅れをとった自分を自分で卑下する劣等感を抱いて生きている。

ねぇ、数年前まで私と同じだったでしょ?

涙が込み上げて来る胸の熱さを押し殺して、一度泣いてもう一度進んでみる。


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