短歌 4月【じゃんけん】【自由詠】

第183回「短歌ください」に送った短歌15首です。


【じゃんけん】

人間を殴ったことのないグーも余ったプリン手に入れられる

カニたちは勝ちたくてチョキを出している その気になればグーでもパーでも

パーは紙 石を包んで勝ちらしい 石の強度が増しただけでは


【自由詠】

スイーツを乗せた配膳ロボットがベテランを角に追い詰めている

壁紙を補修している新聞の少女 少女のまま褪せている

公園の水の勢いあまくみてビチャビチャになってしまう前髪

達筆に書かれたメニューの「ガッツリ」を「ガッカリ」と読んでしまう 空腹

マネキンが身包み全て剥がされて閉店セールが佳境に入る

これまでの全ての争い終わらせる博多の男「もうしまいばい」

須田さんの家族写真が写真屋のお手本として飾られている

アルバイト3つも掛け持ちしてるのに制服全て似合っていない

社会人生活上手くいかないで 澤田よ俺とネコ見にいこう

よく見るとヒラギノ丸ゴの表札だ 人当たりのいい人なのだろう

溶け合ったいちごミルクがゆっくりと分離していき氷を鳴らす

SEです 猫を3匹飼ってます 嘘気付いても聞いて美容師


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