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「ひきこまり吸血姫の悶々2」感想・ネタバレ

どんな本?

ひきこまり吸血姫の悶々とは、小林湖底氏によるライトノベル。

GA文庫から2020年1月から刊行されている。
また、イラスト担当のりいちゅ氏によるコミカライズが『月刊ビッグガンガン』にて連載中。(扱いが”薬屋のひとりご”とより小さくね?)

2023年10月からはテレビアニメが放送されている。

この作品は、引きこもりの吸血鬼の少女コマリが、父親のコネでムルナイト帝国の将軍に任命されるところから物語が始まる。

コマリは、自分の弱さを隠しながら、メイドのヴィルや、他の七紅天と呼ばれる将軍たちと協力し、帝国の危機に対応していく。

コメディとファンタジーが織り成す異世界の百合ストーリーである。

読んだ本のタイトル

#ひきこまり吸血姫の悶々 2
著者:#りいちゅ 氏
イラスト:#りいちゅ  氏

あらすじ・内容

ヴィル 「コマリ様、七紅天闘争の始まりです」
コマリ 「始まらなくていいよっ!」

「ごめん。お前、誰だっけ?」
コマリが意図せず煽ってしまったのは七紅天大将軍の一人、フレーテ・マスカレール。
これがきっかけで事態はどんどんエスカレートし、ついに将軍同士が覇を競う「七紅天闘争」にまで大発展してしまう!
敵となる将軍どもは手ごわいヤツばかり……かと思いきや、コマリは新たに七紅天となった少女、サクナと打ち解ける。
文学趣味で、コマリのことを「姉」と慕うサクナは、コマリ以上に内気で気弱な子だった。
一方その頃、宮廷内では要人暗殺が横行。
さらにはヴィルがサクナに微嫉妬したりと、コマリの周囲は大さわぎ。
コマリの平穏な引きこもりライフは、はたしてどうなる!?

ひきこまり吸血姫の悶々2

感想

半引きこもりのヴァンパイア、コマリ。前巻で明らかになった彼女の烈核解放の真の力を知った第7部隊は、コマリに対する忠誠心を深めていた。物語は、コマリを中心に巻き起こる七紅天闘争という大イベントを軸に展開する。

コマリは、同僚である七紅天大将軍の一人、フレーテによって落ちこぼれの引きこもりと見なされ、見下されていた。しかし、意図せずにフレーテ・マスカレールを「ごめん、お前、誰だっけ?」と刺激してしまい、その結果、七紅天同士の覇を競う戦争に発展してしまう。

そんな中、コマリには歳上の妹ができた。その妹は、七紅天第6部隊の隊長サクナで、第二部隊長ヘルデウスの孤児院出身で彼を父と慕う新兵だった。しかし、偶然にも前の第6部隊長を爆殺し、下剋上により隊長の座を得てしまう。

ヘルデウスの推薦で第6部隊の新隊長に就任したサクナは、コマリと似た境遇にあり、コマリの世話をしているうちに、妹のように慕われるようになる。コマリの実の妹とは異なり、小動物のような仕草でコマリを慕うサクナは、とても愛らしい。

一方で、宮廷内では要人暗殺が横行し、コマリの平穏な引きこもりライフは脅かされてしまう。そんな中、コマリはサクナと共に暗殺者を追う。

日常パートでは、コマリのメイドであるヴィルへの細やかな抵抗が笑いを誘い、サクナもコマリの大ファンであることが描かれる。

さらに、ヴィルがサクナに対して微嫉妬するなど、コマリの周囲は常に大騒ぎである。サクナには烈核解放が記憶操作であるという秘密があり、その秘密を知りながらもサクナを父親のように支えるヘルデウスは、ズレているが、まさに漢である。

オディロンはサクナの記憶操作の烈核解放を利用しようとするが、コマリによって阻止される。

この物語の魅力は、シリアスなバトルパートとコメディパートのバランスが絶妙であることだ。特に、サクナとコマリが本音でぶつかる場面や、劣勢からの逆転劇は読む者の心を掴む。

また、物語の中でコマリの烈核解放が圧倒的な迫力を見せる一方で、彼女の素の魅力が物語を引き立てる。

二巻では、コマリの同僚である「七紅天」とのやり取りが中心となり、前巻よりも世界観が広がり、今後の伏線が多く散りばめられている。

特に、未登場のペトローズや、テロリストの逆さ月との関連性など、次巻への期待を高める要素が満載だった。

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