「治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ 7巻」感想・ネタバレ
どんな本?
『治癒魔法の間違った使い方 〜戦場を駆ける回復要員〜』は、くろかた 氏による日本のライトノベルで、イラストはKeG 氏が担当。
この作品は、2014年3月から「小説家になろう」で連載が始まり、2016年3月から2020年3月までMFブックス(KADOKAWA)から刊行されました。第2回ライト文芸新人賞で佳作を受賞しています。
物語のあらすじは、主人公のウサトと彼のクラスメイトであるカズキとスズネが異世界に召喚されるところから始まります。カズキとスズネは勇者として呼ばれるが、ウサトはただ巻き込まれただけでした。しかし、治癒魔法を発現したウサトは「救命団」という部隊に配属されます。この救命団は、治癒魔法で自身の傷を癒しながら身体を鍛え、戦場を駆け回って負傷者を治療する脳筋集団です。
このライトノベルはメディアミックスとして、九我山レキ 氏による漫画版が『月刊コンプエース』(KADOKAWA)で2017年6月号から連載されています。2022年10月時点で、電子版を含めたコミックスの累計部数は200万部を突破しました。また、スピンオフコミカライズとして『治癒魔法の間違った使い方 〜誘いの街・レストバレー〜』がカクキカイ 氏による作画で、『FWコミックスオルタ』で2023年8月から先行配信で連載が開始されました。さらに、2021年8月15日にはアニメ化が発表され、2024年1月から放送予定。
読んだ本のタイトル
#治癒魔法の間違った使い方 ~戦場を駆ける回復要員~ 7
著者:#くろかた 氏
イラスト:#KeG 氏
あらすじ・内容
ウサト、とうとう勇者の力まで手に入れる!?
備忘録
水上都市ミアラークへ向かう途中、ウサトたちは魔物の大群に襲われるが、アマコの予知能力で難を逃れる。
しかし、ある咆哮によって魔物が暴走し、ウサトたちは危機的状況に陥る。
湖畔でカロンと呼ばれる元勇者と鎧の人物が戦うのを目撃し、鎧の人を助け。
カロンの強大な力が魔物の暴走と湖の凍結を引き起こしていたことが明らかになる。
ウサトはカロンとの戦いで苦戦し、彼との力の差を痛感する。
カロンから逃れ、ミアラークに到着したウサトたちは、人がいない静かな街と、疲労困憊の女王ノルンと対峙する。
ノルンはウサトたちにカロンの暴走について語り、ウサトは彼女に治癒魔法を施し疲労を癒す。
その後、救出したレオナという鎧の女性が素顔で登場し、ウサトがレオ(♂)と思っていたのだが、彼女の真の性別が明らかになる。
地下泉に棲む龍のファルガからは、カロンの暴走が邪龍の影響であることや、ウサトが特別な存在であることが説明される。
ウサトは元勇者の刀をファルガに預け、彼によって作り変えられた籠手を受け取る。
彼はこの籠手を使い、治癒魔法破裂掌という自爆技な新技を習得する。
しかし、レオナにはこの危険な技法を使ったと厳しく叱責される。
ファルガ様はウサトにカロンとの戦いの近さを伝え、彼の記憶を覗き、リングル王国の勇者たちの情報を得ようとする。ファルガ様は過去に人間として過ごし、カロンが自分の子孫であることを明かす。彼はカロンを殺せなかったことを後悔し、ウサトにレオナを救うよう頼む。
カロンとの戦いが迫る中、ウサトはレオナとの訓練を通じて技術を磨き、彼女の覚悟と葛藤に気づく。
レオナは勇者候補としての責任を重く感じ、カロンの暴走を止めようとする。
彼女はウサトに感謝し、自分も戦う意志を新たにする。
ウサトは自身の治癒魔法の系統強化を完成させ、カロンとの最終決戦に挑む。
レオナは彼女が持つ勇者としての使命と、自己犠牲傭兵のアイテムを用意して、ウサトと共にカロンを救出する。
カロンを救った後、ウサトたちは城で休息を取り、ノルン様からの感謝を受ける。
レオナは勇者となり、カロンは騎士を引退して自分たちの道を歩むことを決意する。
ノルン様はウサトたちに獣人の国での注意を促し、彼らは次の目的地へと旅を続ける。
彼らの旅はまだ続くが、ミアラークでの経験は彼らにとって大きな成長となり、これからの挑戦に対する覚悟を新たにする。
感想
『治癒魔法の間違った使い方~戦場を駆ける回復要員~ 7』は、ウサトと仲間たちが水上都市ミアラークへ向かい、未知の敵との激しい戦いに挑む物語です。カロンという元勇者との壮絶な戦闘、そしてミアラークの異変の背後にある謎が次第に明らかになっていく。
感想としては、シリーズが進むにつれてウサトの強さがインフレしていくものの、まだ互角に戦える相手がいることが物語の緊張感を保っていると感じた。
さらに、ウサトのポジティブで前向きな性格は物語を通して一貫しており、彼の成長や仲間たちとの絆が魅力的に描かれていた。
また、今巻ではカロンという強敵の登場が物語に新たな波をもたらし、住民が避難しいるミアラークの静けさとは対照的な緊迫した戦闘シーンが描かれている点が印象的だった。
ただし、主人公一行以外のキャラクターや勇者一行の状況があまり描かれていないのは少し物足りなさを感じた。
ウサトの旅路だけでなく、彼らと並行して進む他のキャラクターたちの物語ももう少し掘り下げられると、より世界が広がっていくのではないかと思った。
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