「望まぬ不死の冒険者 12巻」感想・ネタバレ
どんな本?
『望まぬ不死の冒険者』は、丘野優 氏による日本のライトノベル作品。
小説家になろうにて2016年9月22日より連載されており、オーバーラップノベルスより刊行されている。
イラストはじゃいあん 氏が担当。
物語は、銅級冒険者のレント・ファイナが水月の迷宮で龍に食われて不死の魔物として蘇るところから始まる。
レントは魔物を食らうことで進化していき、骨人から屍食鬼、下級吸血鬼となる。
レントは自分の境遇に苦しみながらも、冒険者としての夢を捨てずに、魔物と人間の狭間で生きることを決意する。
しかし、レントの存在は世界の秩序を揺るがす危険なものとして、様々な勢力の注目を集めてしままう。
この作品は、コミカライズやテレビアニメ化もされており、人気の高いファンタジー作品。
コミカライズは中曽根ハイジが作画を担当し、コミックガルドにて連載中。
テレビアニメは2024年1月より放送予定。
読んだ本のタイトル
#望まぬ不死の冒険者12巻
著者:#丘野優 氏
イラスト:#じゃいあん 氏
あらすじ・内容
不死者の弟子、護衛依頼を受ける。
備忘録
本編の物語は、主人公レントと彼の仲間であるロレーヌが、話す聖獣ポチと出会い、聖獣は聖気を人に与えることが出来ると判明する事から始まる。
永年ポチの世話をしていたメルに聖気を与えた処に立ち合い判明する。
彼らはそれぞれの聖気の経緯について話し合い、レントも自分が聖気を持っていることを明かす。
聖気持ちだと知られていたエルザたちは、宗教団体からの勧誘を受けていたこと、聖気持ちが珍しいが、強力な聖気使いが増えていることを明かされる。
エルザはレントに、彼らの力が必要なときに協力してほしいと頼んで来た。
その夜、レントは街を歩いていると、吸血鬼ヴァンパイアの王の孫に襲われるが、かつて彼らを王都に連れてきたラウラの家の御者に助けられる。
この御者は強力なヴァンパイアで、レントが王の孫の特定のターゲットではないことを説明。
翌日、レントとロレーヌは朝食を取りながら、前夜の出来事について話すのだが、、
混乱を避けるため、ヴァンパイアとは明言しなかったせいで、彼らの話を聞いた他の冒険者が彼をからかって来た。
王都て名が売れているオーグリーが介入し、事態は収まるが、ロレーヌは冗談を言いながら、殺傷力の高そうな魔法を使いその冒険者を脅し、冒険者が土下座して謝罪して一件落着とした。
その後、レントとロネーヌはマルトに総冒険者組合長グランドギルドマスターのジャン・ゼーベックを連れてマルトに帰還するのだが、、
ジャンは高齢ながら強大な影響力を持つ人物で、マルトの冒険者組合長ギルドマスターであるウルフは、彼の訪問に困惑します。しかし、ウルフは最終的にジャンを歓迎し、歓迎会を開催する。
一方マルトは、地下に新たに出現した迷宮の影響で、国の魔術研究機関「塔」と教育機関「学院」の人々が集まり、街の雰囲気が一変していた。
新たに出現した迷宮の原因についての様々な仮説を探求は止まる事を知らず。
学者であるロレーヌは「迷宮は近くに迷宮を生む」という説を提唱し、ウルフもその可能性を認めるが、自然発生の条件が重なって迷宮が集まるとも考えられてもいた。
レントはこれらの仮説を考慮に入れながら、自然発生ではない迷宮の存在についても思索を深める。
一方、レントとロレーヌは孤児院を訪れ、王都のエルザ僧正からの手紙をリリアンに配達する。
エルザはリリアンを王都に呼び戻す可能性を手紙に示唆してたが、リリアンは永年勤めているマルトでの孤児院運営を継続する事を選択していた。
さらにレントは、随分前に注文したクロープの鍛冶屋で新しい剣を受け取り、その試し切りを行う事になる。
この剣はレントの聖気で育った樹木や彼の血液を含む素材で作られ、特別な力を秘めていた。
レントは剣の様々な効果を試し、気を込めると切れ味が増し、魔力を込めると土を耕したり出来るようになり。
聖気を込めると、、
青い炎が剣身を包んでいるように見えるが効果はよくわからなかった。
特に聖魔気融合術を使用すると、対象を圧縮し植物が生えるなどの強力な効果を発揮するが、同時に大きな疲労も伴う事にも気がつく。
よくわからなかった聖気の検証に、レントは「水月の迷宮」への討伐依頼を探していたが、依頼は全て出払っており。
代わりに緊急で来たクラスク村の骨人スケルトンの討伐依頼を受ける事にする。
レントは依頼人のリブルとともに村に向かい、村を見張っていた村の男性たちと合流して骨人スケルトンたちを討伐に向かう。
レントは静かに村の中に入り込み、巡回している骨人スケルトンを一体ずつ倒していく。
レントは自身の剣の特殊な能力を検証し、さらに戦闘では素人の村人たちの支援をしながら困難な依頼をこなす。
森から追加の骨人スケルトンが現れたが、レントは村に残る骨人スケルトンを全て倒し、村を解放して12巻は終わる。
外伝では冒険者リナ・ルパージュと行商人ドロテア・メローの物語が描かれていた。
ドロテアは護衛としてリナを雇い、行商の旅を計画。
リナはドロテアに安全なルートを提案し、ドロテアはリナの提案を受け入れてルートを変更したりと、二人は協力して旅を進め、リナはドロテアの護衛として活躍する。
物語は、リナとドロテアがアフトグラスと呼ばれる植物を採取するために森へ向かう。
この植物は魔物を避ける効果があり、ドロテアは子供たちと共に積極的に採取に向かう。
リナは森の中で謎の女性魔術師と遭遇し、彼女と戦闘に突入し撃退。
この女性は「はぐれ吸血鬼」として長く生きてきたことが明らかになり、リナは女性に同情を感じ、彼女の今後の処遇を考えていた。
最後に、ラトゥール家の執事イザークが現れ、女性吸血鬼を引き取ることを提案。
イザークは彼女をラトゥール家で保護し、彼女の再生能力を使って彼女を完全な状態に戻し、リナとイザークは女性吸血鬼を新しい生活に導くことを決めて、この騒動は終わる。
感想
この物語は、キャラクターたちがそれぞれの役割と決断について考え、行動する様子が描かれていた。
ドロテアの家族関係、商売、そして生き方についての考察が織り交ぜられている点がリナを主人公にした外伝の特徴だった。
『望まぬ不死の冒険者 12』本編は、レントとその仲間たちが直面する新たな挑戦と彼らの成長を描いた物語であった。
マルトの新しい迷宮の謎、ジャン・ゼーベックの来訪、そしてレントの新たな剣の試し切りなど、さまざまな要素が織り交ぜられており、次の巻への期待を高めてくれた。
骨人スケルトンの騒動の着地点はどうなるのか13巻が待ち遠しい。
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