NPSのスコアを1年で約+30上げた施策
こんにちは、加嶋です。本日は弊社サービスVideo BRAINでNPS(Net Promoter Score)を大幅に向上させた打ち手をご紹介します。
NPSの役割
以前の記事でご紹介をいたしましたが、弊社のサービスに置いてはチャーン抑止に対して4つのKPIを注意して監視しております。
①安定的なDL本数とDL率
②顧客の成熟度に合わせたヘルススコア
③決裁者とのパス
④事業状況
定量的な指標としては①、②になりますが、これとは別にNPSをQに1回取っています。理由としては、②に関してはCSメンバーの定性的な意見が混入してしまいますので、顧客にダイレクトに意見を聞くという意味が強いです。
また、弊社で相関性を分析したところ、一定ヘルススコア≒NPSの相関性が見えたので、ここも副次KPIとしてしっかり見ていこうとなりました。
NPSとは?NPS取得に使っているツール
弊社はNPSを取得するのにクアルトリクスさんのCustomerXM™を利用しています。国内海外含めてC向けだけでなく、B向け、SaaS企業が導入しているということでこちらのツールにしました。NPSとは?は下記に記載あります。
また、NPSとは顧客推奨度になりますが、今回スコアを上げるために工夫した点としましては、NPSを向上させるためにサービスに対するサーベイを同時に細かく調査項目として定点的に取得してきたことが上げられます。この結果をもとに、CSの提供サービス内容や開発ロードマップの優先順位決めなどを行なっており、一定成果が得られたと思います。
今年の6月はスコア変動無く、焦りましたが、9月に再度上昇してくれ他ので、一安心しましたw 事業のフェーズ的に開発方針として、受注を優先するか、既存顧客の満足度を優先するか、市場に対して競合優位性を取るかが変動しておりますので、波があるはあったが最終的にロイヤリティ向上に着地できたのでよかったです。
スコア向上に功を成した、NPSと合わせて取ったアンケート項目を簡易的に次に紹介したいと思います
NPSに合わせた顧客サーベイ項目
サーベイ項目は大きく分けて、3つに分けられます。
①機能に関するサーベイ項目
②CSに関するサーベイ項目
③利用効果、利用用途に関するサーベイ項目
SaaSサービス自体の評価は①、②の組み合わせで評価されますので、両項目を当然ですが用意します。③に関しては、顧客のペインポイントの炙り出しをメインに行い、①、②の裏付け要素として活用しています。僕たちのような職種がHorizontalなSaaSの場合、各用途におけるペインポイントやROIの示唆出しが意思決定に重要になってきます。(限られたリソースで優先順位を決める必要があるため)
機能に関するサーベイ項目
機能に関するサーベイ項目は大きく分けて下記の項目と取得しています。
①パフォーマンス(ローディング、書き出し、etc)
②UIUX(操作感、操作時間、etc)
③マテリアル(素材、プリセット充実度、etc)
④アウトプット品質(表現のバリエーション、etc)
⑤ユニーク機能(AI、他社に無い機能、etc)
⑥管理機能(ワークフロー、Admin、etc)
僕たちのツール自体がリッチコンテンツを生成するツールなので、特異な項目もあるかもですが、大きく分けると「UIUX」「パフォーマンス」「ユニーク機能」「管理」に分けられると思います。この項目に対して不満〜満足の5段階評価を行なってもらい、定点監視していきます。また、この大カテゴリに合わせて今後実装してほしい項目も合わせて取っています。
CSに関するサーベイ項目
CSに関するサーベイ項目はシンプルで3つです。
①頻度(コンタクト数)
②スピード(電話、メール、チャットなどの対応)
③品質(利用定着に向けたTIPS)
こちらも同様に不満〜満足の5段階評価を行なってもらい、定点監視していきます。また、この大カテゴリに合わせて今後CSに期待している施策項目も合わせて取っています。
利用効果、利用用途に関するサーベイ項目
先ほども述べましたが、職種Horizontalで展開していますので、各職種で想定できる用途と配信する出面の2種類でサーベイ項目を構成しています。
↓職種と用途
①マーケティング(広告、キャンペーン、etc)
②セールス(営業資料、etc)
③メディア運用(商品、サービス紹介、etc)
④IR/PR/CSR(ニュースリリース、IR資料、etc)
⑤HR(採用、求人コンテンツ、etc)
⑥オペレーション(マニュアル、etc)
↓出面
①SNS
②オウンドメディア
③オフライン
④社内用
それぞれの回答後に、効果(コスト削減、実際の配信効果)を実感しているかも合わせて取ることで、相対的に各領域でどれだけサクセスに繋がってるのかの示唆としても活用しています。また、開発の観点からも、まだまだ効果を実感していないところに対して機能開発をしていくことで顧客体験的に行き詰まってるお客様の障害を取り除くアクションにも使えます。
終わりに
SaaSサービスはいかに使い続けてもらうか、LTV運営のモデルだと思います。CSやプロダクト開発の領域に関しては、国内ではまだまだ成功フレームが体系化されていなく、NPS自体はあくまで1つの指標ではありますが、少しでも参考にしてもらえればと思います。