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『雲を紡ぐ』を読んで

なぜその本を手にとるか? いつも理由は様々だけれど、今回選んだ理由は
三重県に住んでいるから。

『雲を紡ぐ』 伊吹有喜 著

ある日テレビから
「『まるっと三重』は三重県出身 直木賞候補 作家に聞く・・・」
と言うアナウンサーの声が聞こえてきた。

三重県出身の有名な作家なんて、いたの?
直木賞候補?
驚くのも失礼な話だけど、心からびっくりしてしまった。

そういえば、本屋さんにくす玉がぶら下がっていたのを思い出した。あれは、直木賞受賞を願ったものだったのか。

是非ともとってほしい。
伊吹有喜さんという作家さんも知らなかったし、そもそも読んでもいないけれど
「受賞してー」と思った。
勝手なものだ。
でも受賞したら三重県が盛り上がるはずだから! 
子供たちも、作家になれるって思うかもしれない。


しかし、結果は・・・
受賞ならず。

残念だ。読んでないけれど、残念だ。。。

あのくす玉はどうなってるんだろう。捨てられたのかな?

仕事帰りに本屋をのぞいてみた。
くす玉は割られていた。

そこには、ぶら下がった幕に
「伊吹先生、夢をありがとうございます!」
とあった。

そうだよね。夢をありがとうだ。数日間だったけれど、ワクワクした時間を過ごせた。

ありがとうの意味をこめて、購入した。
この街で育った人はどんな物語を書いたのだろう。。。


物語の大きなテーマは家族。

いじめが原因で学校に行けなくなった高校生の美緒が、両親との仲たがいもあり、家を飛び出して岩手県にある祖父が営む工房へ逃げる。
そこで「ホームスパン」に出会うのだった。
ホームスパンとは、羊毛を手織りしたもの。

美緒の家族は、それぞれが問題を抱えている。美緒の父も、母も、祖父も、祖母も。それぞれが家族を思いながらも、関係がこじれている。
その関係がどうなっていくかが、美緒がホームスパンの職人になるかどうかを通して描かれている。

そしてもう一つ描かれているのが、モノづくりの話。
(私はこっちの方が興味がある。)
祖父の工房のモットーは『丁寧な仕事』『暮らしに役立つモノづくり』

そこで作られるホームスパンは人をやさしく包み込む。

身につけたら、きっと幸せな気持ちなるだろうなと思い、私もホームスパンのショールがほしくなってくる。

いつか買おう。

いいものにふれると、心がパーッと明るくなるから。

例えば、先日アディダスの靴を買った。
昔から人気のある、スタンスミス。


はいた瞬間、足が喜んだ。
きもちいいーーーって。

デザインもシンプルで、スカートにも合いそう。心がウキウキしてきた。
誰かが真剣に作ってくれたもののおかげで、
私の生活はあるんだなー

良い物に囲まれていると、
使っている人の、仕事なのか、料理なのか、話し方なのか分からないけれど、どこかに必ず良い影響を与えてくれると思う。

『丁寧な仕事』をしてくれている人に本当に感謝です。
この本『雲を紡ぐ』もそう。
いい本は丁寧に書かれているのが伝わってくる。

物語は最後はそれぞれが幸せな道を見つけるので、安心して読めます!

いつか岩手にも行ってみたいなーと思わせる本でした。早く楽しく旅行ができるようになるといいな。

長いのに読んでもらって、ありがとうございました。

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なたね
読んでいただきありがとうございます!一緒に様々なことを考えていきましょう!