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夏限定のあだ名

共同マガジン「いりえで書く」の8月のお題は「夏の嫌な思い出」「夏のやらかし」のどちらか。
今回は「夏の嫌な思い出」について書こうと思います😆

この話、「かし子のすべらない話」ということで色んな人に話しているのでリアルでお会いしている方の中にはご存知の方もいるかもしれません。
でも「夏の嫌な思い出」といえばこれしかねぇ!! ということで書いていきたいと思います。
「夏のやらかし」は季節問わずやらかしているので書けません。

私は夏になると鼻血をよく出す子でした。
しかも血の気が多いのか、なかなか量が多く止まらないのです。

隣にいた妹が「この人、出血多量で死ぬんじゃ……」と心配する程度には鼻から血を出していました。

気温が暑くなってのぼせるのか、頻繁に鼻血ブーしている夏。
時には電車の中とかで突然鼻血が出ることもありました。
そんなことある?
私の人生で電車の中で鼻血出してる人間、自分以外に出会ったことないんですけど。

そんな私ですから、授業中に鼻血を出すのはしょっちゅうでした。
血の量が多いので机の上が殺人現場みたいになることもあり、驚いた先生が「早く保健室行ってこい!」と騒ぐなんてこともありました。
(生徒は慣れているので特に騒がない)
血のついた教科書とかノート、気持ち悪かったなぁ……。

どれくらいの頻度で鼻血を出していたかというと、クラスの日誌に「かし子が今日も鼻血を出した」と書かれる程度には出していました。
毎日のように日誌に「かし子が鼻血を出した」という一言が書かれているので、心配した担任に呼び出されたこともあります。
ただ、鼻血が出たあとの鼻の粘膜はカサブタになった傷跡のようなもので鼻血が出やすくなるのです(耳鼻科行った)。
特に心配するようなものではないということで、「また鼻血かよ……」とは思いつつも特に変わらない日常を過ごしていました。

あだ名が鼻血になる以外は。

……あだ名が鼻血!?

何だよそのあだ名って話ですよね。
最早いじめ!!
と思わなくもないのですが、言ってるのは仲の良いメンバーだけなのでそこまで気にならないし、「そのあだ名は嫌」というとすぐにやめてくれるので、そんなに不快ではありませんでした。

私の通っていた学校はそれなりに学費が高いせいか、男子生徒は典型的な「良いところのお坊っちゃん」な素直で良い子が多かったのです。
(女子生徒はバラエティに富んでいた)
なので本当に嫌がらせとか悪意があったのではなく、「鼻血ばっかりだからあだ名は鼻血だなぁ」というのほほんとした短絡思考で呼んだのだと思います。

で、私が不満を言うとあだ名で呼ぶことはやめてくれるのですが、翌年の夏になり、また鼻血の時期になると「かし子、鼻血ばっかじゃん!」とまたあだ名が「鼻血」になるという現象はありました。
ちなみにそれ、中高一貫校だったせいか高校まで続きました。

そんな夏の思い出でした。
笑い話になっているので今となっては嫌な思い出かどうかはわかりませんが……いや、あだ名が鼻血になったので嫌な思い出です!!

ちなみにこの話、後日談というか番外編があります。

ある日、クラスメイトが意気揚々と「かし子にピッタリの本がある!!!」と新聞の切り抜きを持って来ました。
当時の私は読書が好きで、中学生の頃と言えば特に歴史小説にハマっていた頃です。
「何だろう、戦国武将ものかな」
「それとも幕末かな」
なんてワクワクしながら新聞の切り抜きを見たところ、新聞で紹介されていたのはエドワード・ゴーリーの『華々しき鼻血』でした。

鼻血ネタかよ!!!

っていうかそんな本がこの世に存在するのかよ!!!

と、その時は思ったのですが、華々しき鼻血以外の本は普通に気になるものばかりでした。そして本屋に探しに行ったなんて思い出が。
今となってはエドワード・ゴーリーの絵本は雑誌で特集が組まれたりゴーリーの展示会が行われていたりと日本でも人気がありますよね。
私も行ったことがあります。

ゴーリーの展示会に行った話をした際に「ゴーリーの暗い雰囲気、かし子さんの小説と近いですもんね」なんて言ってくれた後輩がいますが、ゴーリーとの出会いは鼻血がきっかけです。

今でもゴーリーを見るとその時の記憶が蘇って、何だか苦々しく感じます。あだ名よりこっちの方が嫌な思い出かもしれません。

『アルジャーノンに花束を』と同じくらい「グヌヌ……」ってなります!!

以上、「夏の嫌な思い出」でした!


#夏の思い出


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かし子
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