あちら側もこちら側もなく、社会なんてみんなグラデーション
最近読んでよかった、ぐさーっと刺さった本です。
読むのがツラいとかではなくとても読みやすい本なのですが、だからこそ淡々と胸に迫ってきます…。
特に最近、少年犯罪がよくニュースに取り上げられていて、先に本と出会っていてよかったと思います。もしかしたらそのニュースに偏見を持ってしまっていたかも知れなかったから。
生まれてからすぐに犯罪を覚えている子なんていないのに、大人と環境のせいで間違った生き方を“学習”して育っていってしまう…。
そうした現実が、今も私から遠くないところにあることをこの本は私に教えてくれました。
どうか生まれてきた子どもがみんな自分の人生を自分で選んで生きられる世界であって欲しい。
自分の産んだ子だけでなくその友だち、クラスメイト、その兄弟、テレビの向こうに映る子どもたち、街で通りすがった子どもたち…。
私はそんな子どもたちがみんなが愛おしく見えて、生意気にそんなことを日々願っていて。
しかしその対極のような選択肢のない育ちに追いやられている子どもたちはどうこの寒い今日を過ごしているのでしょうか。
生きづらい子どもたちが増え、どうしようもなくなって犯罪に手を染めてしまうとしたら?
ひいては犯罪件数が増え、警戒すべき物事が増えて社会全体が生きづらくなるのです。
大切なのは、この本で著者がしていたような心理的介入と保護によって生きづらさから抜け出す機会をつくることでしょう。
直接に仕事として関係するわけでない一般市民の私たちでも、そこに心を寄せることはできます。
どんな子どももまずは当たり前に食事をして、学校に行き夜に眠れるような…親に褒められたり叱られたりしながら、成人までのびのび生きられるような社会に大人がしなければならないと強く思います。