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(2)死とNVCの裏側で〜ご先祖と豊前について〜

お盆の出会いから繋がったご縁で昨晩は中京地区の高校の同窓会に参加させていただいた。同じ高校というだけで快く受け入れてくださる先輩方に感謝したひとときだった。
同級生の同窓会への参加はあったが、学年横断での同窓会はほぼはじめて。

私は高校卒業と同時に、家族全員で祖母の看病のため父の実家へ自宅を移すことになった。それ以来、郵送物が途切れてしまった。
オフィシャルな同窓会からの連絡は途絶えて浦島状態となったわけだ。
こちらから連絡先の変更を申し出ることもなく時は流れていった。

流れが変わったのは、今年の夏。
同級生の同窓会に行く直前に、豊前歴史に関する話をお聞きするために元館長(校長)の連絡先を知りたいというお仕事仲間からのリクエストだ。
同窓の友人を伝ってすぐに連絡が取れるようになった。
(前記事)

私の先祖のルーツが豊前にありそうなこともあって、先生とのご縁がつながり、中京在住であることから、中京同窓会の副会長を紹介してくださった。
なんと、副会長のご先祖さまも豊前にゆかりがあるとのことで、先生との交流も深かったのだ。

すぐに副会長と繋がることができて、途絶えていた同窓会への入会をはたした。

そして昨晩11月30日の中京の同窓会で
「400年前、豊前で会ったかもしれない先祖を持つ同窓生の2人が出会った」
のだった。

私の先祖の話

さて、この夏、私の苗字のことが書いてある本が父の遺品から出てきたことは前回記載したが、夏以降その中身を確かめる流れが急速に進んでいった。
本の中身の紹介をしながら、並行して現地に赴いたことも記載していきたい。

日本家系協会 鬼木一族

やはり、ネットで調べた通り、私の姓は、豊前の村の地名から名を名乗ったようだ。
偶然話が進んでいったのだが、お盆休みの間に豊前市で先生にお会いすることになり、鬼木村にも訪れることができた。
この村には、瘤のある楠があり、伝承とともに鬼木(おんのき)と呼んだとのことだ。現在、鬼木伝説公園として楠とともに姿を残している。

鬼木伝説公園

昔、犬ヶ岳に棲む鬼が度々ふもとに降りて来て村人を苦しめていた。
そこで求菩提の権現様が鬼に「 求菩提の中宮から上宮へ登る道に千段の石段を、一夜のうちに積むことが出来たら犬ヶ岳に住むことを許すが、出来なければ追い出す 」 と言いつけた。
鬼は権現様に言われた通り石段を積み始めた。なにしろ怪力の鬼のこと、夜明けまでに完成しそうな勢いで石を次々と積み重ねて行く。完成して山に住むことを許せばまた村人を苦しめる。
そのことを知っている権現様は一計を案じ、鶏を真似て竹バチを叩き、「 コケコッコー 」 と高らかに鳴いた。鬼はすでに999段を積み終えていたが、朝が来たと思って一目散に海に向かって走った。その途中、鬼木のこの大楠に取りすがり、「 もう駄目だ! 」 と、鬼は大粒の涙を流して泣いたという。
それ以後、この楠に今のような木瘤 ( きこぶ ) が出来るようになり、村人たちは、この老木を 「 鬼木 」 と呼ぶようになった。
泣き疲れた鬼はフラフラと椎田の海岸まで歩き、鬼塚という島にたどり着いたところで息が絶え、頭はこの島に、胴体は求菩提山に埋められた。その後、この島は満潮には浮島となり、干潮には砂州となって水没することがなかった。
しかし、昭和30年代の干拓事業で陸地になってしまったが、鬼の祟りを恐れて、島の形は当時のまま保存されている。

鬼木伝説公園「楠にまつわる伝説」

私がこの地を訪れた時に感じたのは、想像したものと違っていた。
これが私のルーツかと、この土地にこれたことの感慨に耽るのかと思っていたが、そのような感情は沸いてこなかった。
ただ、あるタイミングでこの地にご縁があり地名にあやかり名乗り始めたということなんだなという、あっさりとした感覚だった。
それよりも前にもっと長い歴史の先祖が存在している。
さらに、苗字は男系で相続されてきた名前だ。母系を辿るとなると遡るごとに倍の歴史が存在するのだ。
苗字に残る以上の多くの命がつながって今があることへの感謝が今になって湧いてくる。

さて、苗字の発祥の話に戻っていこう。

鬼木村を管理することになった宇佐神宮弥勒寺の寺務役を務めていた時枝氏の二男が鬼木を名乗り始めたとのことだ。

豊臣秀吉の指示で黒田孝高(官兵衛)が九州入りした際に数多くの土豪たちは、黒田氏と戦った。鬼木掃部頭も黒田氏の将と戦って討死した。

一方、時枝氏の長男の時枝鎮継は、黒田氏の九州入りの際に馳せ参じて黒田軍につき、その後功をなして活躍したとのことだ。
時代の分岐点に居たことがよくわかる。

そして、昨日お会いした副会長のご先祖様も豊前の黒田軍との戦いで討ち取られた一族だそうだ。
ひょっとすると、400年以上前のご先祖様同士が会っていたかもしれない。

このご縁をつないでくれたお盆からの流れに感謝の気持ちが湧き上がっている。

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