データが支配するPSYCHO-PASSのような世界が来るのか
成田 悠輔さんの話を聞いていると、私が一番好きなアニメ「PSYCHO-PASS」の世界がやってきそうな気がする。
PSYCHO-PASSの世界とは、シュビラシステムと呼ばれる巨大なスーパーコンピュータ(実際にはとあるものでできているのですがネタバレになるので)がビッグデータを使って人々の行動を決める世界。
ストレスのない人生を送るために、人々のあらゆる感情・欲望・社会病質的心理傾向などが記録・管理・数値化され、そのデータ・AIが人々の行動や進路など全ての選択をし、そのAI(巨大な脳)が支配している。
小島武仁さんが就職のマッチングについて話していたのを聞いてさらにその思いが強まった。
元々シビュラシステムは人々の生体力場を解析し数値化、それを元に精神の健康状態・個人の能力を最大限生かした職業適性を示し、人々が最適で充実した人生を送れるように支援を行う包括的生涯福祉支援システムだった。
そこから進化し、その人の心理状態から職業適性や恋人適正までも診断してくれる。1人1人により良い未来を提供するシステムという認識がされており、個人の運や選択ミスに左右されない最大多数の最大幸福を可能にするというもの。
(人は「自己決定」が幸福度を上げるという調査結果がある。と同時に「選択肢の多さが、逆に幸福度を下げている」という心理学者の研究があるので、適切な数の選択肢を与えてその中から自分がいいと思ったものを選ぶという事をすると幸福度が上がるのではないかと私的には思う。)
今はデータは政治や学校・会社などへの活用がメインとなっているが、さらに進めばこのアニメのストーリーの主軸になる警察や犯罪の取り締まりをする世界が待っているのだろうか。
作中では街頭にくまなく取り付けられたスキャナにより常に人々の心理状態をモニターし、事件の事前防止をしている。何か異常がありその場にいる人たちのストレスレベルが上がると、それを即時に察知し自動で警察が駆けつけるようになっている。
さらに、犯罪を犯す可能性がある者、又は犯罪を犯した者は街頭スキャナによるスキャンで即座に判別できるようになり、犯罪は一種の病気とされる。犯罪者を未然に捕まえることにより、刑事裁判・刑務所といった制度も必要がなくなり消滅する。
確かに、罪を犯した人を裁くより、罪を犯す前に捕まえたり隔離や排除してしまうと、罪のない人が命を落としたり被害にあう可能性が劇的に減るという効率の良い世界のように感じます。
犯罪者をその場で射殺するかどうかも全てAIにゆだねられる。コンピューターは人間の脳みその判断処理速度よりもはるかに高速で情報を処理することができる。一瞬で沢山の情報、それによる選択肢の中から何が最善かを選ぶというようなとっさの判断にも強いのだ。
勿論、100%完璧な制度やシステムを作ることはほぼ不可能だと思うので、誤認識などによって命を落とす人も出てくるかもしれないけど、全体で見れば罪のない人が命を落としたり犠牲になる数は圧倒的に減るはず。という意味では人間が判断する世界より優れている可能性が高いといえるのではないか。
余談ですがデータに支配される世界というと怖い感じがするかもしれないけど、買い物やレストラン・動画のおすすめやカーナビに沿って行動している私たちはすでにデータを頼りに生きている。宗教がなくなり科学的に証明されたデータがその(神の)替わりになるという感じ。しかし、ハラリさんの唱えるデータ至上主義のような一部の支配層と奴隷のような世界は余り来ないような気がする。なぜなら最近は競争やそれによって一定以上に得たお金や地位や名誉は、幸福には結びつかないという説が有力だから。
それよりも、最低限の生活で最大限の幸福感を得られるような方法を模索するように時代がシフトしているように思う。その背景には、AIや機械化により大企業を支えるために大量の人を雇用し働かせる必要がなくなってきたため、餌をぶら下げて走らせたり人々に過度に鞭をうつ必要がなくなりつつある(らしい)。人って時間的・精神的な余裕が出てくると何のために生きてるのか?とか、幸せとは何なのか?とかを考え始めると思うし。
という事でマッチングアプリのように仕事をマッチングさせ、恋人や結婚相手までもをマッチングさせ、さらにはデータを使って犯罪者を未然に防ぐ世界が来るかという妄想でした。
自主自宅待機で引きこもり期間が2週間を過ぎると曜日感覚がなくなってきて、妄想にふけるようになるというお話でした。
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