マガジンのカバー画像

【長編現代和風ファンタジー】神社の娘

48
「俺も悪神倒しの仲間にいれてください!」 日本のどこにあるのか分からない不思議なとある村。 刺激のない平凡な日々を過ごしていた高校生の橘平は、雪の夜、森の近くで村の神社の跡取り…
運営しているクリエイター

記事一覧

【小説】神社の娘(第47話 向日葵、すっぴんをさらす)

 よっしーの深読み解説も効いているらしく、向日葵の感動メーターは振りきれて戻らなくなって…

2

【小説】神社の娘(第46話 橘平と桜と向日葵、アニメを観る)

 八神の山で見つけた小さな鳥居。そこにはお伝えさまの神紋があった。  向日葵と葵に今す…

坂東さしま
11日前
3

【小説】神社の娘(第45話 橘平と桜、鳥居を見つける)

 慣れない場所、そのうえ野外での就寝。  橘平は夜と朝の間の時間に目が覚めてしまった。頭…

坂東さしま
1か月前
3

【小説】神社の娘(第44話 葵、上司にしごかれる)

「いえーい!うわーまじ楽しみ!」  向日葵がさきいかを食みながらスマホを見て、嬉しそうな…

坂東さしま
1か月前
2

【小説】神社の娘(第43話 橘平と桜、野宿する)

「うわー、今日、野宿だあああ…」   桜は早朝の境内掃除をしながら、思わず口にしていた。…

坂東さしま
5か月前
4

【小説】神社の娘(第42話 葵、逆らえずに頭を抱える)

 葵は職場のデスクで、樹と和やかに昼ご飯を食べていた。 「この古漬けね、よう子っちの手作…

坂東さしま
5か月前
1

【小説】神社の娘(第41話 桜、自分を腹黒いと思う)

 さかのぼる事ひと月ほど前の話。  強力になり始めた妖物対策の一環として、野生動物対策課に一人、有術者が着任することになった。  ただ、何宮の何者が来るのかは、二宮課長も知らなかった。 「今日の午後から出勤なんだけどさ、誰かまで教えてもらえなかったんだよね~。使える子だと定時に帰れるなあ。伊吹君、しばらく面倒みてあげてね」 「分かりました。一体誰が来るんでしょうね。男子か女子か? 強いのか?」 「強くないとうち来ないと思うけどねえ」 ◇◇◇◇◇    お昼休み

【小説】神社の娘(第40話 橘平と桜、野宿の相談をする)

『日曜日に4人で会えたらって。八神さんちの神社の写真撮ったから見せたいし、あと今、私が家…

坂東さしま
5か月前
3

【小説】神社の娘(第39話 村人、妖物と係長に恐怖する)

「今日は曇りときどき雨、だけど過ごしやすい気温。絶好の駆除日和ですね!」  若者を中心と…

坂東さしま
5か月前
5

【小説】神社の娘(第38話 向日葵、土下座する)

「本当にごめんなさい本当にごめんなさい本当にごめんなさい本当に…」 「いやもういいから、…

坂東さしま
5か月前
4

【小説】神社の娘(第37話 橘平、ひとりごとを言う)

 念願のプラモデルを組み立てる日がついにやってきた。  空は穏やかな青空が広がり、その清…

坂東さしま
5か月前

【小説】神社の娘(第36話 身一つで立つ場所)

 葵は息抜きのために休憩スペースへコーヒーを買いに来ていた。  自販機の前でボタンを押そ…

坂東さしま
5か月前
2

【小説】神社の娘(第35話 桜、妹のせいで辛くなる)

「まもりさんに関する物…やっぱり蔵かな?」   桜は家族に気取られないよう、春休み第1日…

坂東さしま
5か月前

【小説】神社の娘(第34話 葵、タケノコを掘らずにゴリラを倒し、そして聞き出す)

 役場の裏の竹林を会場に、毎年春になると「タケノコ大発掘会」が開催されることは既出の通り。今年もその時期が到来し、本日、美味しいタケノコを食べたい職員たちが、よいしょよいしょと大奮闘している。  しかし、今年の環境部野生動物対策課の面々にそんな暇はない。昨年までなら午前中から全員が参加できるほど余裕があったというのに、今年の午前の部は課長しか参加できなかった。  課長は、参加していた。 ◇◇◇◇◇  職員たちがタケノコを掘っている頃、葵と樹は高い木の上から妖物を見降ろ