【連載小説 第24話】初対面の小学生女児から「お父さんと結婚して」と言われた35歳、無職。
●第24話 お母さん
駿が5歳の時に両親は離婚し、彼は父親に引き取られた。しばらくは父と祖父母とともに暮らしていたが、小学1年生の時に「新しいお母さん」と「お姉ちゃん」ができた。
その「お姉ちゃん」が宇那木このみ。今の真冬と同じ小学5年生だった――。
「らしいよ~」と、真冬はまつりと小林に教えた。
「ま、真冬ちゃんさ、意外といろんなこと知ってるんだね……」
小林は寿司店で彼女から聞いた「川越」や「駿とまつりの関係」を思い出しながら、深くため息を吐いた。
「まあね。