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読書ログ②「変な絵」(ネタバレあり)
こんにちは、Kasaです!
今回は、以前『本ツイ!』の時に購入した「変な絵」についてまとめていきます。
それでは行ってみましょう〜(*•ω•*人)
「変な絵」概要
あらすじ
45万部突破! ホラー作家兼YouTuberである雨穴氏による、自身初となる11万字書き下ろし「長編小説」! タイトルは『変な絵』。
あなたも、何かがおかしい9枚の絵の「謎」が解けますか? とあるブログに投稿された『風に立つ女の絵』、消えた男児が描いた『灰色に塗りつぶされたマンションの絵』、山奥で見つかった遺体が残した『震えた線で描かれた山並みの絵』……。
いったい、彼らは何を伝えたかったのか――。9枚の奇妙な絵に秘められた衝撃の真実とは!? その謎が解けたとき、すべての事件が一つに繋がる! 今、最も注目を集めるホラー作家が描く、戦慄の国民的スケッチ・ミステリー!
※前作『変な家』の“キーマン”栗原も登場!
※購入者「全員特典」として、雨穴による第一章「風に立つ女の絵」オモコワ朗読動画(1時間)つき!
読書感想
ネタバレなし
実は「変な家」を読了済みですが、本当に雨穴さんは読みやすいです!
250ページ以上だけど、1日で読破しました。
個人的な感想としては、「変な家」より怖いと感じました。
YouTubeで第一話だけアップされているものを何回も見て、そういうことだったのか!と読み終わって、スッキリしました。
ずっと気になっていて、この後どうなるんだろう?、そもそもどんな感じで1本の線のように繋がるのか?、と考えていたので、それが全て回収されていて、本当に面白かったです。
伏線を全て回収するというのは、創作する上でとても難しいと感じているので、雨穴さんはそこを綺麗に書かれているのですごいなと思いました。
絵というのは千差万別で、捉え方や見え方は人それぞれです。
だけど、描いた本人は明確な意図があって描き、その謎を本書では読み解いていきます。
「変な家」とはまた違った面白さがあり、かなりサクサク読めます。
ホラー小説初心者やたまには違ったテイストの本を読んでみたいと思う方にはおすすめです!
※ネタバレあり
ここからはネタバレが含まれますので、気になる方はスキップしてください。
また独自の感想ですので、これ違うのではないか?と感じる方はぜひコメントで共有していきましょう。
また、ここでは本全体ではなく、一つ一つのシーンを見ていきます。
一人の女性のひっそりと潜む狂気の物語、という表現がしっくりしました。
複雑な家庭環境から生まれるかもしれない感情の片鱗を垣間見て、ゾッとしました。
その感情が表に出るか出ないかだけで、人生が大きく左右されるのではないかと感じました。
最初に彼女の過去から始まり、その次の章で現在の彼女の姿を見せるという展開も面白いですね。
それから別の作品に見えて、がっつり関係してる謎の絵を解き明かすという流れもよかったです。
それから思い切りミスリードされたー!騙されたー!
YouTubeの時点であのブログには3人の登場人物がいたのは知ってたけど、まさかそこで繋がるのか!と驚きの連続でした!
思いっきり、最初のブログに書かれていた「あなた」はユキだと思ってしまった。
ごめんね、ユキちゃん。
レンが自力で犯人を見つけ、その事実を知ったしまった故にショックをうけて、自殺をしてしまう。
それが大切に思っていた、自分の母親だったから。しんどいわ、そりゃこの世から消えたいわ。
では、なぜ母がそんな凶行に走ったのか考えてみようと思います。
ほとんど本書で書いてありますが、個人的に書きます!
そもそも最初の絵からミスリードされていたと思います。
木の枝からは攻撃性はあるけれども、自分よりも小さきものを守ると言う母性がある。
だけど視点を変えると、弱きものを守るため、助けるために他者を傷つけても構わないという母性とは反対の攻撃性が見えます。
今まではそうやって殺人の正当性を保っていました。
母親から小鳥を守るため、父親から息子を守るため、と。
(まあ殺人に正当性もクソもないですが、ここではそう表現します)
だけど息子が巣立って、やがて結婚し孫が産まれようとした時、思ったのでしょう。
本書ではまだ母親でいたいと願うあまりしてしまったと書いてありましたが、もう一つ考えたことがあります。
それは、自分の役割や生きる理由がなくなりつつあると。
だから理由を見つけようとしたと思います。
自分が孫の母親の代わりになることで、また弱きものを助ける道理ができるのではないか?と。
だけどふと、自分の欲望のためにしたことに気づきました。それでも息子の残した最愛の孫は、自分以外に頼れる人がしない、まさに庇護すべき存在そのもの。
だけど、孫が部屋からいなくなって、幼稚園の先生から警察には?と言われたけど、それでも言えなかったのは自分の過去を暴かれるのが恐ろしかったからだと思います。
後ろめたい感情が常に背後にある人間にとっては、頼りたくても頼れない存在ですもんね。
それから面白いなと思ったのが、目の見えない人に対してどうやって絵を描くのか?という技法です。
点や折り目をつけることによって、描けるのかと感嘆しました。
それで事件がまた動き出すっていうのがすごいです。
父親の件はもう時効だけど、教え子は時効がなくなった恩恵で犯人を捕まえることができるが大きいですね。
だけど、ここでは全て状況証拠しかないわけです。
そのため、教え子が入った会社の先輩が考えたのは、立件事件からの別件逮捕という作戦。
これがうまくいき、無事に女性が逮捕されたが、残された孫はどうなるのか?となったところに、栗原の友達が記者に近づいて、孫を引き取ってくださいと言う。
ここで彼登場!?てびっくりしましたし、栗原に最後まで見届ける、というのを、守ってるのすごすぎ!?栗原マジで何者!?
栗原のスピンオフ欲しいです。
そこでブログの名称の謎を知ることができて、すごー!となりました。
トリックアートじゃないけど、そういうことだったのか、と最後まで驚きの連続でした。
まとめ
「変な絵」の読書感想でしたか、みなさんいかがでしたか?
最後は孫を引き取って、余生を過ごすと言うそういったか!?てラストでしたが、とても読みごえたがある作品でした。
何より絵から読み取れるミステリーが面白かったです。
銀座で開催されている「シリアルキラー展」というのがありますが、そこから見える人間像をこの本で体験できたと思います。
(ちなみにシリアルキラー展は毎年みたいなと思い、忘れています。来年こそ行きたいです。)
夏のひと時にぴったりなミステリー小説ですので、みなさんもぜひ読んでください!
最後まで読んでくださってありがとうございました!
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