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祖父が弱弱しくめくる新聞に書かれていたのは

遠い国の話

空色の空に黄金の麦が輝く国と

艶めく臙脂のベロアの上に薄暗い雪が積もる国に

瓦礫と戸惑いが囲ってゆく

心に巣食った絶望の蕾が 彼らに咲かないことを願う

あの日植えたひまわりの種が 芽を出しませんよう

彼らが再び愛と自由を取りもどすまで

あの美しい花の準備ができるまで

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