Lena

気になったことはとりあえず試してみる性格故、毎日様々な壁にぶち当たっています。 小説、映画、硝子、古道具、歴史等、日記のようにぼちぼちと綴っていけたらな、と。

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気になったことはとりあえず試してみる性格故、毎日様々な壁にぶち当たっています。 小説、映画、硝子、古道具、歴史等、日記のようにぼちぼちと綴っていけたらな、と。

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  • 映画感想文

最近の記事

最近毎日ディズニープラスで映画を2本くらいみている 昔のディズニー映画も好き

    • 新年を迎えて

      ご無沙汰しております。 皆様お元気でしょうか。 24年を迎える上で、一般的に目標を掲げることが多いかと思いますが、例に漏れず私もそれを試みてみました。 折角なのでここに備忘録として、また宣言として残しておこうと思います。 私が24年に行うことは大きく分けて3つあります。 ①SNSの管理 ②感情の管理 ③身体の管理 ①SNSの管理 去年12月に、配信サイトspoonやX(旧Twitter)の突然の閉鎖に驚かれた人もいるかもしれません。この2つに関しては全てのアカウントを削

      • 対話 to me

        私はがらんどうの思想の中で、創造性というオアシスを探している哀れな仔羊である。 人の感情に敏感なものの、その繊細さが芸術につながったことはあまりない。いつだってその敏感さの奥にあったものは人よりよく見られたいといった自意識だ。隣人には私が設定した「私」のイデアを見てほしかった。私が凡庸な人間ということを気づかれないように私は様々な策を巡らせていた。 人を騙すのは簡単だった。私はアジア人ではなかったので語学に堪能と思われるのは容易だったし、成績も良かった。 皆私に興味をいい

        • Aftersun,

          毒にも薬にもならないようなものを作りたい AfterSun 先々週くらいにみた。AfterSun。 私は映画館で映画を見ることは年数回あるかないか、くらい。 ひとりで映画を観ることは好きだが、時間の使い方、特に休日のがどうにもうまくないので映画館に行こうと決心するまでが遅く、やっとチケットを買おうとウェブサイトを開いたら売り切れ、とか 14時頃からゆっくり向かってみた後にはお茶でもと思っていたのが17時15分からの回しかなかったり、 はたまたとっくに東京の上映は終わっ

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        • 映画感想文
          1本

        記事

          進化 (2023/06/04 詩片)

          お父さん お母さん おじいさんとおばあさんに聞きました でも彼らは 全部忘れたみたいです おじいさん おばあさん お父さんとお母さんに言われました でも彼らは 知らないらしいです お父さん お母さん これが最近流行っています 僕たちの代わりに考えてくれるんです おじいさん おばあさん 僕たちの代わりに これをあげます 人よりも 格段便利です お父さん お母さん 知らないことは もういいのです 誰かがやってくれるので おじいさん あばあさん 忘れたっていいのです 僕ら

          進化 (2023/06/04 詩片)

          なにかになるはずだった文章の墓場

           手のひらからこぼれてしまった一瞬が一体どれだけあったろう。小さな一瞬の心揺すぶられる衝動を糧に毎日を生きている。  吹きこぼれそうな鍋、ピンク色に染まった空を見た30分後に起こる横揺れの地震、ヒラギノ角ゴにまみれたネット記事、向かいから見える新発売のカフェラテとFAXの未送信レポート。  本当に何もかもが、変わっていく。  私は吹きこぼれた鍋の後始末がわからない。ただ自分の鍋を見つめながら、茹で上がったパスタの色を確認するだけだ。黒くもないし緑でもないから、焦げもカビ

          なにかになるはずだった文章の墓場

          タイガー・アイ

          オニキスのような髪だ。歯の浮いたようなセリフが頭の中で思いついた。 春の初めにしては蒸れた汗の匂いが充満している夜の2号車は、春の初めらしく甘い酒の香りもあった。 幼い肩のはみ出たフリルのシャツに似合わない紫色の缶が、余計に学生の幼さを際立たせている。 日が暮れた電車の中は蛍光灯が化学的な白い光線を出し続けていて、さっきまで見ていた肩がのっぺりした白いプラスチックのように変わってしまったようだった。 私は一息ついて扉の脇の背もたれに寄りかかった。さきほど飲み込んだおむすび

          タイガー・アイ

          指先をじんと温めながら

          ※この記事には演劇のネタバレが含まれていますので苦手な方は閲覧をご遠慮ください。 BOOKSHOP NIGHTにお邪魔してきました。 夜の本屋で開かれる、静かでひそやかなライブイベントーー… 第四回目となる12月17日に、当日券で滑り込みました。下北沢駅からほど近い会場まで、駆け足で向かいました。あそこはなんとも言えない、何者かになりたがっている若者の青臭さがあって私は好きです。缶チューハイを片手に、彼女らはどこへ行くのでしょう。赤いベロアのハットを被った男性が隣の黄色いシ

          指先をじんと温めながら

          本を選ぶ楽しさを知って

           半ば嫌々と新宿駅の東口をでた。こんなクソ暑い昼間になぜわざわざ人ごみで汗臭い新宿に来たかと言うと紀伊国屋で目当ての漫画を買うため。逆に言えば、それだけの理由で新宿に来た。立ち仕事のアルバイト終わりで足裏は疲労で痛い。クッション性のないフラット靴で作業していたからだ。帰宅したらもうこの靴は捨てよう。  相変わらず暑いが、もう日傘をさすほどの気力も残っていない。連日の心えぐられるオーディションやアルバイトに私はかなり弱っていた。普段なら多少は流せる冗談や嫌味にも過剰に反応し、

          本を選ぶ楽しさを知って

          ぺら一枚の感想

          2つの展示を終えてはや一か月以上が経っています。フィードバックも何もないですが、いろいろと私が思い詰めているようなので、その時の日記を参考にしながら修正したものをこちらに載せます。 今一度ここで、皆様に感謝申し上げます。 「そうぞう×じかん=道のり」展が昨日でおわりました。私たちにとって始めて、自らが企画した展示会でした。 机の上に山積みになった作品と紙の束を見ながら、脱力感にふける――、こともしたかったのですが、明日はアパレルの撮影があるので早めに寝床に入り、仕事の準備を

          ぺら一枚の感想

          快楽の園のその先

           神経伝達物質ドーパミンは、過剰に分泌されると依存行動が生じる。通常、ドーパミンは「ランナーズ・ハイ」とも言われる様に、移動運動によって生じる。しかしドーパミン過剰による強い快楽依存は貪り続けないと気が済まない衝動に駆られるのだ。この状態は恐らくマリファナやコカイン、ヘロインなどのドラッグによる症状で皆様は聞き覚えがあるかもしれない。  先日読んだ「脚・ひれ・翼はなぜ進化したのか」の中でドーパミンの「誤解」についての興味深い説明があった。あるラットによる研究によると 高ドーパ

          快楽の園のその先

          祖父が弱弱しくめくる新聞に書かれていたのは 遠い国の話 空色の空に黄金の麦が輝く国と 艶めく臙脂のベロアの上に薄暗い雪が積もる国に 瓦礫と戸惑いが囲ってゆく 心に巣食った絶望の蕾が 彼らに咲かないことを願う あの日植えたひまわりの種が 芽を出しませんよう 彼らが再び愛と自由を取りもどすまで あの美しい花の準備ができるまで

          緩やかに差別が終わる日

           言語は刻一刻と進化しています。約1000年前、和紙に書かれた2人だけの情愛の文字は今では緑茶のペットボトルのパッケージに印刷され、皆が手に取ることができるようになりました。   文化と歴史は瞬きをするたびに目まぐるしく変わり、今ではもうたった200年前の言葉も少しの面影を残すばかりです。高校の現代文で森鴎外の『舞姫』に苦戦したことを思い出しました。この偉大な医者にして文筆家は本当に日本語を話しているかなどと、当時は馬鹿なことを考えたものです。  100年単位でさかのぼら

          緩やかに差別が終わる日

          翻訳文学の世界が好きだ

          言語化できない景色を眺めながら、虚空を見つめる。 あのロシアの素晴らしい大教会も、ドイツ旧市街の見慣れた赤レンガの絨毯もワイキキの真っ青な海の色も日本語という記号にはそれを表す適当なものがない。 あのロシアの無機質な美はキリル文字がよく似合う。ドイツの形式ばった文法は、典型的なドイツ地方都市の特徴にそのまま当てはまる。自由でのびやかなハワイ訛りは、あの小さな島々の人々が開放的である一つの所以だ。    言語を用いない芸術は、それらの記号を知らぬままの人がつくる新たな記号の

          翻訳文学の世界が好きだ

          雪と思いやり

           今日の東京は快晴です。私は黒のダウンコートを羽織っていましたが、暑さでとうとう脱ぎ、片手に抱えるほどです。  先日の雪が嘘のように思えます。丁度4日前までは、東京のどの街でも真っ白な雪がそこかしこに敷き積もっていました。  その時私は丁度仕事を終えて、西通りを通って自宅に向かっていたところでした。仕事場から見えるいつもと違う風景は私を子供のような気分にさせました。  見上げるとひたすらに空から白く柔らかい雪が落ちてきていますから、どの雪に焦点を当てていいのかと、少しくら

          雪と思いやり

          今年が終わるにあたって

          2021年も今日で終わりを迎えます。まずは一年お疲れさまでした。もういち早く来年の抱負や計画を既にまとめている人も、いったんその手をとめて21年を振り返ってみませんか。  今年は様々な年代の人が変化を迎えた年の気がします。仕事や学校で大学が変わった人はもちろんですが、それ以上にやはり例のウイルスが少しずつ、本当に少しずつ、私たちの日常に溶け込み、私たちが受容していったのが大きかったと思います。  春になって恐る恐るマスクをかけて出ていった人々は、秋には二回のワクチン接種を

          今年が終わるにあたって