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#48 「英語教師のための英語史」の第1章を読む。

先日、本屋でみかけて秒で購入した、辺見ら(2018)「英語教師のための英語史」を何度か読み返したりしている。序章には「英語史と日本における英語教育のこれまで」という箇所に、Voicyでお馴染みの堀田先生の名前も出てくる。

さて、その第1章は、古英語についてである。気になる箇所を挙げて、少しずつコメントしていきたい。

(1) 時代背景

Danelaw(古ノルド語を話すデーン人の住む地域)の話やバイユーのタペストリーなど興味深く読んだ。デーン人の住む場所の特徴としては、-byで終わるrugbyなどや-thorp(e)でおわる村などがある。デーンローをよく理解すると、古ノルド語と英語の関係が見えてくると思う。

(2) 四季を表す語

古英語の中でも季節の話は大事な語大好きなので、見逃すわけにはいかない。春がlencten(短くしてlentとも言われる)、秋がhærfest(=harvest)だったのはご存知の通りで、この本でもしっかりと触れられている。また、lenctenはlongと同根語なので、だんだん長くなる日のことに昔の人も思いを馳せたのかもと想像できる。

(3) minim

sonの発音についてもまたminimが関わっていることが示されている。昔はsunuと綴ったが、語尾のuが脱落し、途中のuは2本の縦線として、中世の写本などでは用いられた。しかし、紛らわしいので最終的にはoと綴られたという経緯についての説明がある。minimについては、自分でも一度まとめたい。

(4) 名詞複数形

古英語の頃の複数語尾等も紹介されている。-as複数、-u複数、-a複数、-an複数、ウムラウト複数などがあるが、例として示されている中では、boc-bec(book)、talu-tala(tale)などが示されており、興味深い。bookも昔は、man-menと同じような複数を取っていたことが分かる。この母音で単複を入れ替えて複数形にするというのは日本語にはないが(そもそも複数形が日本語ではほぼ意識されない)、上がるー上げるなどの自動詞と他動詞の区別を母音交代で表現していると感じる。

以上、これ以外にも気になる箇所はあったが、今日はこんなところです。

今日のWords of the day. さまざまな辞書から。

今日は日本語祭りで、あるサイトのはorigamiでOEDはonigiriだった。ちなみにonigiriの定義は"A Japanese dish consisting of small balls or triangles of rice stuffed with a pickled or salted filling, and typically wrapped in dried seaweed."となっており、具をfillingと表現しているのが面白いと感じた。
vulnerable (adj) 脆弱なという意味だが、「肉体的にも、精神的にも、感情的にも傷つきやすい」 とMWには掲載されていた。語源的にwoundともつながりがあるように見える。
chuck (n,v) Charlesの愛称としてのchuckはよく知られているが、to tossの意味で動詞もある。
reputation (n) ラテン語のreputatioから。前半はre-だが、後半はto reckonを意味する"putare"由来。"putare"由来の同根語に dispute, disreputable, imputation, putativeがある。

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