#100 Ticketと同じルーツをもつ、あの語とは?(その1)
ビートルズの「涙の乗車券」という曲がある。原題はTicket to Rideで、アルバムHelp!に収められている。初めてその曲を聴いたのは、確か中学生の頃で、なぜタイトルが「涙の乗車券」なのかなと不思議に思っていた。Wikipediaを見ると、rideにはさまざまな含みをもたせていたようだ。
Ticketの二重語
で、このticketという単語、同じルーツをもつ、日本語を話す人でも誰もが結構知っているあの単語と二重語である。二重語はこのブログでもたびたび取り上げてきているが、もともと同じ語だったのが、2つ以上の異なる単語として捉えられている語のことを指す。村上春樹風にいえば、まるで遠い昔、同じ道を歩いていた二人が、いつの間にか別々の人生を送るようになったかのような2つ以上の言葉となるだろうか。例えば、shirt-skirtや、flowerとflourなどが二重語である。さて、ticketとルーツを共にする二重語のもう1つは何という単語だろうか?
↓(スクロールしたら見れます)
↓
↓
↓
↓
そう、実はチケットticketとエチケットetiquetteが二重語である。あまりにもこの2語の意味と綴りが違うので、びっくりする人もいるが、辞書で調べてみると、ビンゴ! 立派な二重語、つまりもともとが同じ語である。早速、研究社の英語語源辞典ことKDEEを引用する。まずetiquetteから語源に関する箇所を引用。
由来が「礼式を記した小さな覚え書きカード」や「宿泊心得」というのに驚きである。気を取り直して(?)、次に、ticket。こちらも語源部分を引用。
こちらはetiquetteの説明とは対照的に、ごく簡単にsomething stuck upと終わらせている。なお、両方ともに、相互参照を促すというお茶目な書き方だが、stickに関係する語から派生したフランス語由来であることがわかる。そう言われるとstickも含めて、全てが似た音をもっていることに気づく。
では、なぜ、同じ単語が今は全く異なるこの2語となったのか、もう少し詳しくみてみたい。
今日は時間がきてしまったので、こんなところです。その2へ続く(クリック)。