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怖い話のウラ話・第17話「コップ酒の悪霊」

 ある番組で、自称霊能者の方が、
「コップにお酒をついで、部屋の真ん中に置いておくんです。翌日、お酒の味が落ちていたら悪い霊が入っているので……」
 と言いました。
 おいおい、悪い霊が入っている酒を味見するなよ。誰が考えるんだろうねそんな非常識なこと。仮に、もし悪霊が入っているお酒を飲んだとしたら、体内に侵入しますから……。悪霊を確かめるくらいのことで、人生が終わりになる可能性もあります。しかも酒を置いたくらいでは悪霊は入りません。そんなのでいちいち入っていたら、悪霊用の便利な罠を作れます。
 だいたい酒に入る霊とか聞いたこともありません。酒は清めに使うものです。神社などでは掃除の時にバケツの水に酒を混ぜて清めます。混ぜた程度の濃度で十分に清まります。100パーセントお酒の濃度だと、清まることはあっても、霊が入る余地などありません。

 また、ある知人が、
「神棚にカップ酒をあげたらカビが生えた」
 と言っていました。
 これはその家を清める必要があるようです。カビが生えるお酒とか、考えられもしません。だいたいアルコールの中でカビは生きてゆけないのです。それを無視して生えているのですから、余程のことだと考えなければなりません。
——大きな罪・穢れに塗《まみ》れているんやろうなぁ、きっと。
 と思いました。
 その人の、その後の行動や言動を観察していると、何となく分かるような気がしました。本人の運命の中に、知らず知らずの内に忍びよる不幸の痕跡を見たのです。しかし、その痕跡は単なる自業自得ですが……。

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