看護学生が解剖見学をする小説
「人は、人体を解剖したことがある者と、そうでない者の2種類に分かれると言っても過言ではない。それぐらい、解剖は君たちの人生観を変えるだろう。ようこそ、我々の世界へ!」
P大学医学部解剖室のI教授は手を広げ、上品に微笑んだ。
見学に来た看護学生に対し、暖かい歓迎の言葉。
けれど、せっかくのお話よりも、私は後方に意識を取られている。
体育館ほどの広さがある解剖室中に整然と並んだたくさんのストレッチャー。
全てに白いシーツがかけてあり、中は細長い形に膨らんでいた。
大きさは私の知