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【FF14】黄金のレガシーのキャラに関する愚痴【お気持ち】

 はい、黄金のレガシーのメインクエストの感想という名のお気持ち表明ですらない排泄行為です。※ネタバレ注意
 キャラ毎に感想(愚痴)を述べていきます。最後にまとめ。


毒にも薬にもなれないキャラ

 ある意味黄金のレガシーで一番明白で大きな失敗。
 7.0まで終わらせて思い返してみて愕然とした。だって暁月までと違ってどのキャラも好きにも嫌いにもならなかったから。
 
「こいつ嫌い!」ではなく「シナリオチームはこのキャラとそいつに付随する描写を『良し』として提出したんスか……?」って考えが及んじゃう感じ。
 以下主要キャラ毎についての文。

【ウクラマト】

 弱みを周囲に曝け出せない、って問題はあったけど、その中身が乗り物酔い……?トラウマや恐怖によって挫折し、やがて克服するって物語を盛り上げるのにすごく美味しいシチュだと思うのに、朋友の灯火でのちょっとした会話で解消しちゃって全然盛り上がらないし「あっそう」としか思わない。
1人で悩みを抱え込んで失敗する挫折イベントすら与えられない彼女が可哀想になる。

 そして問題の「笑顔」。みんなの笑顔が好きだと言われても、彼女は国民の笑顔≒幸せに愛着を感じてる描写、加えて国民の不幸を悲しんだり憎んだりする描写が薄い。マジで薄い。
 
トライヨラの民を半ば虐殺に近い形で殺したゾラージャに「親を亡くして泣いてる子供がいた」「再び襲撃されるかもしれないと暗い顔をしている民もいた」って言葉をぶつけた上で「民を泣かす奴はあたしが絶対に許さねえ!」みたいな事を王として啖呵を切って欲しかったのに。やってる事は舎弟に手を出されたチンピラみたいだが。

 今回彼女が主人公であることは500億歩譲ってアリだとしても主人公なら精神的に成長してほしいのに、メインクエストを通して彼女が変わった、成長したところがめちゃくちゃ分かりづらかった。彼女に対するこちらの見方はまるで変わらないまま。試練にアクシデントも特に無く(強いていえばヴァリガルマンダくらい?)、当初の筋書き通り、言われた通り試練を終えて王になった。まさに予想を裏切らず期待を裏切った感じ。

 そもそも彼女を王にする必要があったのか?「王になりたい」ではなく「他の奴を王にしたくない」って理由なら「王にならない」ってオチも全然アリだったと思う。
 試練を経て成長したウクラマトが「民の笑顔を守りたい」って目的は王にならなくても果たせると悟り、コーナあたりを王に据えて側近兼国民のお悩み相談係になるとか……要は意図せずアゼムみたいなポジションになる、って未来もエモいなーとクリア前は妄想してた。
 特にそんなこともなく終わった……。

【コーナ】

 アドバイスで彼の精神的成長に貢献したウリエンジェの株を多少上げた。それくらい。良くも悪くも自身の株を下げる機会が無かったキャラ。本人が抱えてた問題もごくごくありふれてて彼もメインクエスト前後で印象は変わらず。
 そしてウクラマト誘拐に伴い語られた彼の過去。
「(要約)幼少期は孤独で辛かったから、妹のラマチのことになると冷静でいられないんです」
……その子供時代を超える力で描写してくれよ!養子になる前のみすぼらしい姿やひもじい暮らしとか、ウクラマトが何かしてくれてそれが救いになった場面とか入れれば彼女の株を上げられるだろ!プレイヤーの感情の揺さぶりどころをセリフであっさり消化しないでくれ!!

 でも彼は脇役だしこれくらいの淡白な描写の方がいい……のか?王の試練終了後とともに「理王がいるから武王が出張っても安心!」的な便利キャラにスライドしていくし。

【バクージャジャ】

 遅れた手下を見捨てて(なんで?)、ヴァリガルマンダを解放して(なんで?)、おまけに選者(フンムルク)へ手を出し(まあ分からんでもない)、マムークでなんか身内のために頑張るキャラということにされていた(なんで?)。何がやりたかったんだ……。
 でもトライヨラの民を守ってた時、彼があの笑い声(うほーほーほーって奴)を上げてた場面はめちゃくちゃいいシーンだと思った。不気味さしか感じなかった笑い声が頼もしさを伴った雄たけびみたいに感じたのは、中の人(武内さん)の熱演によるものだろう。感謝。

【ゾラージャ】

・本来双頭から生まれないはずなのに彼が生まれてきた理由とは……?
・側近(?)のサレージャの企みとは……?
・グルージャを生み出した理由は……?
・ウクラマトに向けた感情の正体とは……?
・グルージャジャへのコンプレックスとは……?
 メインクエストを終わらせれば一通りわかるようになってるだろう!今までもそうだったs……全部説明されてないじゃないか(呆れ)
 
グルージャジャ唯一の血縁者ならではの設定を開示することもなければ彼の人柄も描写されない。上記3人は好感を得る描写が無いか薄いかのどっちか。一方で彼だけはマジで「よく分からん」の一語。好きになる/嫌いになる機会すらなかったキャラ。
 今回のシナリオから透けて見える「いちいち説明するのも野暮」って思想の最大の被害者。

 民衆を殺戮するほどの暴君に変貌したのも、グルージャジャを殺した後。なんで?一度死んだ上で魂を上乗せして……というなんともダサい辛勝であんな自暴自棄になられても……
 なんでこのタイミングで魂のストックの伏線のために死なせた?父殺しで後に引けなくなり暴虐の果てに「孤独な王」となる、みたいな描写を(おそらく)したかったんだろうけど、あれじゃ借り物の力でイキってる武王()、グルージャジャを超えている()って言われてもしょうがないだろ。彼の悪役としての大事なデビュー戦なのに……。
 CV.小野大輔氏の演技が本当にかっこいいから名悪役になる可能性もあったのにめちゃくちゃ勿体無いんだよなあ……。

 あ、「奇跡の子という呪いが〜」とか「双頭として生まれなかったコンプレックスが〜」って言ってる奴、それは君の妄想だろ。状況証拠みたいな描写で「このキャラはこういう人間で〜」って自分の妄想を公式で確定した事実みたいに言い切るなよ。

【グルージャジャ】

 文武両道の偉大な王……なはずなのに、上記3人の子供の描写のせいで株が下がり続けた人。
 養子も血縁者も等しく扱うって考えなんだろうが、奇跡の子と呼ばれてプレッシャーの重そうな(妄想)ゾラージャへのフォローが無いのは流石におかしくない?
 武王と理王の2つの頭を持ってるって設定なのに、劇中の描写では武王しか存在感が無くて、子供の教育において一番に気を使いそうな理王の影が薄すぎるんだよなあ……。
 理王のグルージャジャとか「たとえ周囲の期待に応えられなくても、あなたは可愛い息子であり、私の誇りですよ」とかあらかじめ言っててもおかしくないし。まあ武王も武王で「奇跡の子だの双頭じゃないだの言われてるようだが勝手に言わせておけ!お前はお前だ!」って言いそうだよな……。

 少し話が逸れるけど、「王位継承候補者には問題がある」っていう発言は具体的に何を指してたんだろうね?ここでも「説明するのは野暮」が出てきていたように思う。

  • ウクラマト:世間知らず?

  • コーナ:保守的な民衆への配慮と言葉足らず?

  • ゾラージャ:外征=領土を増やす事でしか国を富ませられない思考?

  • バクージャジャ:「欲しい物は略奪すればいい」という思考と他種族への不寛容さ?

 まあ本人は死んだからもう明かされないんだろう。

【スフェーン】

 個人的にシナリオチームの意図が一番理解できんかったキャラ。
 
ウクラマトはまだしもスフェーンを「もう一つの正義」「もう一人の主人公(最後まで諦めないってセリフを吐かせてた事からも明白)」って描写しといて腑に落ちるはずないだろう。彼女は永久人=民のために他国の人間を犠牲にして(その他国の人間も永久人にして)行くという明らかに破綻した理屈で行動してるんだから。
 生命ではなくただの暴走したシステムで「スフェーンは倒すべき存在」「暴走した管理システム」って言わないの?特に賢人位を持ってるキャラが。主人公に最後の最後で言わせることじゃないだろ。

 ウクラマトも「やっとお前の気持ちが知れた」とか言ってんじゃないよ。
 死という憂いを永久人(+生命エーテルの略奪)という形で克服する存在(エターナルクイーン)が例えば討滅戦からのセリフを持ってきて
「死は終わりじゃない。さあ、怖がらないで」
っ言わせてそれと対比させるように
「ああその通りだ!死は終わりなんかじゃねえ!あたし達が覚えている限り命は続くんだ!」
ってウクラマトに言わせて彼女のかっこいいとこを盛るとかさあ、もうちょっとやりようがあったと思うんだよ。ヨカフイ族の生前墓を説明した意義とは……。
 そっちの方が倒した時(彼女の凶行を止めた時)カタルシスで気持ちいいじゃん?暴走するように仕込んだ奴が悪いみたいな話に持ってけるじゃん?何よりヨカフイ族の死生観、黄金の遺産(レガシー)ってサブタイトルの意味が伏線として綺麗に回収できるじゃん?
 遺産(レガシー)=死者が生者に遺した記憶や想い出
、ついでにグルージャジャの遺したトライヨラという国。それは黄金以上の「宝」だ……っていうクッサい結論で別にいいよ。クサいセリフも大好きだし。
 なんであんなレジャー施設を指して「黄金郷」とか女王の記憶を「黄金の遺産」って言わせたんだよ……。

 家来のオーティスの死に際も何???すごくモヤモヤするーッ!女王を守れなかった後悔の念ごと魂を移植されロボになって生き永らえてたのに……。
 代わりの利くロボットを守るのはまだいいよ。スフェーンとまともに言葉を交わすことも無いまま死亡ってそんなリアルさをエンタメに持ち込むなよ、彼があまりにも哀れじゃないか。
「あの時は御身をお守りすることができず本当に申し訳ありませんでした……」
ってずっと抱えていた感情をぶちまけて、それを受け止めたスフェーンに「いいんだよ。今まで本当にありがとう」
って労い(許し)の言葉をかけてもらって彼が満足して死ぬ展開か、あるいはそこらにいるモブかグルージャをかばってさあ……女王じゃなくて民を優先して守った事を謝罪するけど
「あなたはアレクサンドリアの誇りだよ」
ってスフェーンが労う場面があればストーリー的にも盛り上がるし彼女の株も多少上がったんじゃないの?
(2024/10/05:追記)
 モトエナ氏の「グルージャを庇っているスフェーンを庇うオーティス。」ってシチュはすごく良いなあと思ったので紹介しておく。こんな記事を読む人たちには紹介しても大丈夫でしょ。

↑ライブのため倍速推奨。

【クルル】

トライヨラへ出かけるちゃんとした理由があり、
↑うん!
新ジョブになって戦えるようになり、
↑いいね!
ガラフおじいちゃんの話も連王から聞けるかも!
↑最高!
終わってみれば出番はちょっとだけでした。
↑……は???

 一言で表すとコンサポの仕様の被害を受けたキャラ。

 FF14のコンテンツの一つ、インスタンスダンジョンでは漆黒でフェイス(コンサポ)が実装されるまで同行者は募った冒険者って体だったのに、実装した途端にシナリオ上でもコンサポ要員を連れ歩くようになっていった。
 新大陸へ行く動機が薄そうなアルフィノ、アリゼーを連れ歩いてた理由もメタ的には十中八九コンサポのためだろう。それが不味かった。アルフィノが「ガレマルドの復興におけるモデルケースとしてトライヨラが〜……」とか言ってたけどうるせえよ暁月まで一緒だったアルフィノはそんな上辺だけの意識高い系みたいな事は言わねえよ何言わせてんだ。
 同行者の双子を空気にしないため喋らす必要があるもんだからただでさえウクラマトに圧迫されて少なくなってるクルルの出番が更に減る。掘り下げも無くなり彼女の新たな一面を描写できなくなる。
 
彼女絡みのイベントも最後にちょっとだけ。まるで三つ葉の鍵の運搬役だな……グルージャがいないと無意味なのもそれを強めている。

 
あのさあ、コンサポじゃなくてもいいけどシナリオ製作上の縛りは可能な限り無くしてやってくれよ!「ゲームだから」って理由と「一つの世界、エオルゼアだから」って理由を都合よく使い分けすぎだろ。
 今のご時世、表現に縛りがあるのは理解できる。だからこそそれ以外の外せる縛りは外さないとシナリオチームが本来のポテンシャルを発揮できないだろ。自分を縛る枷や鎖の数をアピールしても評価してくれるユーザーなんていないよ。
 
今回のメインライターの人、ノンデリな所(「青い鱗のフビゴ」とかよく怒られなかったな)や先述の「説明するのも野暮」の悪癖もある。しかし縛りが非常にきつい中であのストーリーをひねり出してたのはほぼ間違いない。ところどころ未回収の伏線や没ネタをそのまま放置してる節があるし、二人体制で密に意思疎通して書かなきゃならないのは自明の理なのに食の試練前後でのキャラ描写すら一致してない部分もあったしな。
 
昨今流行りのポ〇コレなど多数の縛り、メインライター間で思うように連携できない製作体制……ライター個人の実力以前にそっちの方に目がいってしまう。

で、何が言いたいの?(まとめ)

シナリオにもっとコストをかけてくれ

 FF14というMMORPGはゲームスピードを落としたりシナリオに力を入れれたりカジュアル化したりと悉くMMOの悪い所をつぶしていった。言葉を選ばず言えば「MMOらしくないMMOにした」からこそ今の隆盛があるのだと思う。特にストーリーは(ほぼ)万人が体験できる=アクセシビリティが高いコンテンツなんだよ。
 
吉田P/D他スタッフもそれを分かっているからこそFF16で補助機能を充実させて誰でもストーリーを一通り堪能できるコンセプトにしたんじゃないの?
 
そんな組織がなんでシナリオにもっとコストを投下しないのか理解に苦しむ。シナリオに限った話じゃないけど「どうせ信者も納得してついてくるし否定派の意見は肯定派にかき消されるだろう」と見越して露骨なコストカットを行うの、ほんとやめてくれよ……散々見てんだよ他の界隈で。
 先述の縛りをできるだけ外すのもそうだけど外部から脚本家やラノベ作家を呼ぶくらいしてもいいんじゃない?そんな事を考えるくらいメインクエストは多少起伏のある虚無。漆黒のヴィランズで焼かれた脳みそが「これを暁月のフィナーレの続きだと認めたくない」と叫んでいる。

「いちいち説明するのは野暮」はやめてくれ

 観客を主体的に映画に参加させるため、ハリウッド映画の脚本にもその手のテクニックはあるらしいけど、それって「1+1=」の先を想像させるように誰でも同じ答えにたどり着くようにやってるらしい。
 黄金のレガシーは「1+〇=」の先を想像させてる感じ。想像するための材料が足りないし答えにたどり着くどころか個人の理解や読解力によって違う答えを導き出しているように思える。

キャラを好きにならせてくれ。

 少なくとも「ウクラマトを魅力的なキャラにする」という目標は未達に終わってる。客観的に見ても魅力を十分に引き出す事すらできてない。

 以上!愚痴終わり!なんか書きたいことが出てきたら別で書く!

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