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ファミリーキャリアから、再び愛着障碍について考えた

尾石晴さん『ワーママはるのライフシフト習慣術』を読んだ。

バリキャリ路線を歩んでいた著者が、出産後ワーママになり、子育てとの両立で思うような仕事ができず葛藤する中で気づいた「しなやかなキャリアと人生を歩みたい」という思い。

そこから著者が実践してきた習慣術-これからの人生をライフシフトするための習慣術を「仕事」「人間関係」「子育て」「お金」「学び」の五つの観点から紹介している(真似させるわけではなく、今の自分の現状と照らし合わせて、今後どうしていきたいか考えさせてくれる)。

その中で私が一番、考えさせられたのが「夫婦で、キャリアの方向性を決める-夫婦でのファミリーキャリアをすり合わせる」の章。
あらためて、息子の不登校と自分の仕事について振り返る機会になった。

私たちの職業人生は、長期化していきます。決めた方針は変わるかもしれません。「長期的に見て、2人で働き方を決めた」「お互いがどこでアクセルを踏むのか、お互いが決めた」という事実が大事なのです。

尾石晴「マーママはるのライフシフト習慣術」

上の子が年長になるときに下の子も入園させて働きたい、という私の思い。子どもが小さいうちは子どものことを中心にやってほしい、という主人の思い。
そこを擦り合わせて、私はパートタイム勤務、そして子どもに何かあったときは私が対応する、という形で働くことになった。

長期的な視点はもちろんなかった。子どもが不登校になるかも、という考えがなかったわけではないが、まさかこんなに早いとは…。私が仕事を辞め、私が息子に毎朝付き添っている。「私ばっかり…」という思いはあるけれど、当初の擦り合わせでいけば、とりあえず、これでよかった。

さらに我が家の場合、息子の保育園時代からの行き渋り、そして不登校、今の母子登校から考えられる愛着障碍の可能性。


これがファミリーキャリアも関係していたとは。


本には「ファミリーキャリアの5つの分類」が掲載されている。

シングル・キャリア
従来からある典型的なモデル
夫婦の1人が、すべてを決定づけるキャリアを持っていて、配偶者と子どもはそのキャリアに従う。

リード・キャリア
シングル・キャリアから派生したモデル
一方のキャリアを軸に夫婦の生活の場所や、転居先を決定づける。パートナーは、パートタイムや融通のきくフリーランスなどのキャリアを持っている。

交替型キャリア
2人にとっての「平等な機会交替」を選択する
それぞれが次の昇進や地理的な移動に対する優先権を持ち、パートナーは役割の調整に合意する。

並行型キャリア
それぞれが似たような、非常に有力なキャリアを持つ夫婦
「パワー・カップル」と呼ばれることがある。互いに補強し合う職業的ネットワークと知識を持ち、互いのキャリアを強化し合っていることが多い。

補完型キャリア
仕事の性質が異なる2人、成功基準やサイクルが異なり、うまく行く可能性が高い。

尾石晴「ワーママはるのライフシフト習慣術」

私はパートタイムで、子どもが小学生になってからは下校の時刻に間に合うように仕事を終わらせていた。夏休みも、学童には行かせず、私が仕事を休んで対応した。

一見、シングル・キャリアもしくはリード・キャリアに見える我が家。
でも「私ばっかり…」の前には「同じ職場で働いているのに」という言葉が隠れていた。

並行型キャリア

メリット
仕事の話が好きで、互いの仕事で何があったかを共有する(お互いの仕事のためになる)。互いに学び合える。


夫婦は2人ではうまくやっているが、このような場合は家族(子ども)に犠牲が及びがちとなるケースがある。外注が進むなど、子どもは十分な関心を払ってもらえない。

尾石晴「ワーママはるのライフシフト習慣術」

外注が進むことはなかったけれど、家でも職場の話を常にしていたのは事実。子どもたちにとってはやきもきした気持ちだっただろう。パパとママは自分たちではなく、職場の生徒たちのことばかり見てる、と。ママはもっと働きたいのに自分たちのために我慢してるんだ、と。親が我が子たちに関心がないわけないのに、子どもにとってはそう感じてしまうのも当然。「私ばっかり…」の不満も、敏感な子どもたちは感じ取っていたのかもしれない。愛情がうまく伝わっていなかったのも無理はない。

本にはそれ以上は書かれていないけれど、このキャリアの例にだけ子どもに関することが書かれていたのを見ると、著者のまわりではそのような例が多かったのかもしれない。著者自身、他の著書やメディアでも「我が子が不登校になって自分が働けなくなる可能性」について触れている。

誰もが実現可能な、家庭もキャリアも、賢くしたたかに楽しく続ける人生戦略です。

尾石晴「ワーママはるのライフシフト習慣術」


今は自分の選択でキャリアをストップさせてしまっている。この経験も必ず今後のキャリアに生きると信じて、学び続けることを忘れずに、あっという間に終わってしまうのだろう子どもたちと過ごす毎日を、楽しく穏やかに過ごしていけたら。

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