一話たくさん観ました(2022年秋クール)

始まりました秋クール。私的前評判としては、超絶期待作が一本、盤石が一本、あとはどうなるかまだまだ読めないといったところ。10月の1ヶ月間に渡って少しずつ開始していくので、書き足し書き足し、おすすめ順にご紹介していきます。

10/22まで
silent
PICU
ファーストペンギン
一橋桐子の犯罪日記
アトムの童
クロサギ
祈りのカルテ
霊媒探偵・城塚翡翠
親愛なる僕へ殺意をこめて
君の花になる

その前に『鎌倉殿の13人』を今まで見逃していたけど面白そうで見たかったけどもう今さら見られないと思っている人に伝えます。

見ろ
見なさい
観るのです
たとえあと3ヶ月でもあと3ヶ月、最高の大河ドラマを観られるのです
だってもう9ヶ月もやってるから今から見ても分かんないじゃーんと言っているあなた
それはあなたが三谷幸喜を超える脚本家になってから言いましょうね
あなたは三谷幸喜を信用するべきです
絶対に楽しめます
何故なら
私も頼朝の落馬を見ていないから!
10回くらい見逃しているから!
セクシー八田もトキューサ呼びも最近知ったから!
頼朝も比企も頼家も大姫も知らぬ間に死んでいました
それでも畠山の最期で号泣しましたからとにかく
今からでも遅くはないどころかまだ1クール分ある幸運に感謝しましょ
最終回はヤバいらしいです

そして「そんな面白いなら終わってから一気見する〜」と思ったあなた
一生見ませんよ
何故なら
人生は短く、大河ドラマは長いからです
まだ最終章は始まったばかりです
一緒に楽しみましょう!

前回、実朝が泰時に書いた和歌、「これは恋の歌です。間違っておられます」で返されるの切なすぎて号泣した……ラブレターを!返すな!ばかやろう!返すぐらいなら食え!(※現代の感覚です)

フジテレビ木曜22時『silent』 川口春奈・目黒蓮

久しぶりに見る「ラブコメではない正統派ラブストーリー」。恋愛ドラマは流行らないとされるトレンドに真っ向から真剣勝負するよ、の覚悟がしっかり見える上質な第一話でした。「高校時代の大好きだった彼」として目黒蓮ってあまりに完璧ですね、素晴らしいー。いわゆる正統派な美男子だけど、絶妙に嫌味がなくって素敵!記憶の中でどんどん美しくなっていく感じもするし!

ラストシーン、耳が聴こえなくなった目黒蓮が手話で泣き叫ぶところは、ちゃんと歴史に残りそうな良いシーンでした。とはいえ「聴こえない世界」が単に恋のカセ機能に利用されているだけなのか、そうではない気付きをもたらしてくれる作品となるのか、絶賛一色ななか、個人的には真価はここからでしょ!と思ってます。ただ一話時点での風間俊介が「手話やってる=善人、って勝手な決めつけ」と言い放つシーンがとても良かったので、当然後者にチャレンジしていく作品になると思う。期待!

それにしても「iPod」「スピッツ」「ハチクロ」「魔法のコトバ」、あまりに世代ど真ん中すぎて声を出して笑ってしまった!音楽が「聴こえる世界・聴こえない世界」の対比として使われていくことになるから、決して安直な小道具ではないと分かっていながらも、流石にあざとくない!?とは思っちゃった。笑 何だろう、最大公約数かつ最も混じりけのないチョイスなのよ……。スピッツは許すとして、せめて変な下着に夢がはじけたりするくらいの曲にしなさい!な!

(しかしトンチキは別の枠に求めなくてはならない……いいドラマだから勿論良いのだけど……木10がトンチキじゃないと思うと、寂しい……。)

フジテレビ月曜21時『PICU 小児集中治療室』吉沢亮

今回は完全に月10『エルピス』に全ベットだったのと、医療ドラマということで正直全く期待していなかった『PICU』が想定外にめちゃくちゃ素晴らしかった……。派手な演出や設定なしに、とにかく地道に小児救急にあたる人々を描いて、感情を丁寧に丁寧になぞって……を真剣にやっていて心打たれました。明らかに『監察医朝顔』の大成功を軸にした丁寧な医療ドラマ路線。間の取り方とかも最近のドラマとしては珍しいくらいたっぷりしているし、分かり易さに全振りとかもしない、ある意味「視聴者をバカにしていない」路線で私はその姿勢が凄く好きです。

それにしても、ここ数クールのフジテレビはどの枠も意図とか作戦がすごくハッキリしていて素晴らしいと思う。秋ドラマ、このまま行くと木10・月9・月10、フジテレビ3本全勝利なんじゃないか……まじか!

ただ内容としてはとても見ていて辛いです。これまで救命救急のドラマは無数にありつつも小児専門を扱ってこなかったのは、現実に少ないということ以上にドラマとして辛すぎるからだったのかも……と思わされました。フィクションとはいえ子供が亡くなるのは辛すぎるのよ……。とはいえ、それらが単なる仕掛けになっているわけではなくて、その死に物凄く真面目に向き合う作品なので信用できる、一方で辛さは増すのよね。子供がいない私でもめちゃくちゃ辛かったので、お子さんいらっしゃる方は見られる・見られないがかなり分かれると思います。楽なドラマじゃないから、全面誰にでもおすすめ!とは思わないけど、とにかく丁寧な良作です。

日テレ水曜22時『ファーストペンギン』 奈緒

森下佳子脚本ということで盤石と見て良い一本。森下佳子と言えばもちろん綾瀬はるかですが、奈緒との相性も良さそうでわくわく!個々の登場人物の魅力的な見せ方、テンポ、壁の作り方、やっぱり素晴らしく巧いのだな……と唸らせられる第一話でした。

漁業というゴリゴリの男社会に飛び込んでいくシングルマザー。ルールに囚われず、実現したいことは何が何でもやり切る!おかしな習慣には物申す!という主人公の勢いと、いやいや現実は色々難しくて……とモジモジする固定観念だらけのおじさん達、の対比がハッキリしていつつも、決して主人公を単純な正義として置かないところが圧倒的に信用できる。一話ラスト、漁協の権力者に主人公が正論で啖呵を切るシーンが「スカッとジャパン」じゃなくて明らかに「やりすぎ」として描かれているところが素晴らしい。どの作品とは言わないですが、主人公が語る正義が物語上の正義と一致している作品が私はハッキリ苦手なので、それらがちゃんとズレていて、それでも突き進んでいく彼女だよ!を見せてくれたことにめちゃめちゃ安心しました。

そして何せ堤真一がいますから。キャストも脚本も盤石、あとは奈緒ちゃんにガンガン暴れてもらおう!という勢いがちゃんと画に現れる良作になると思います。漁業の話そのものも面白そう!期待大です。

NHK土曜22時『一橋桐子の犯罪日記』 松坂慶子

超良作!すっごい面白かった。『その女、ジルバ』を見ていてこれからシニア女性をターゲットにした良作が増えるといいな!と思っていたけれど、まさにその枠で出てきました。主人公はおばあちゃん。

唯一の心許せる親友に先立たれ、ひとりぼっちのシニア女性となってしまった主人公が、ご飯が出てくる・無能でも働かせてもらえる・介護もしてもらえる「塀の向こう」に行くために、何とか人に迷惑をかけない犯罪を犯したい!という物語。高齢女性の現実的な生きづらさをリアルに描きながらも、トーンが暗くならないのは内容ももちろん、松坂慶子の可愛らしさもあるよねーと思いながら見ていました。「刑務所にお詳しいんでしょう?」「何かいい犯罪知らない?」とムショ帰りの若い男子に小首を傾げる松坂慶子、可愛い。笑 社会問題にも触れながら、決して説教臭くならない良質なエンタメに仕上げてくれると思います。NHKなんで……!

TBS日曜21時『アトムの童』 山崎賢人

日曜劇場は日曜劇場なんだけど、ちょっと狙い年齢層を下げてきたかな?という印象。基本的にこの枠は「月曜から頑張る40代以上サラリーマン狙い」が分かりやすいのでスルーすることも多いのですが、思ったよりいけるかも。メインキャストの山崎賢人・岸井ゆきの、そしてゲームの設定で20代後半〜30代前半に対象年齢を下げつつも、熱血手仕事から世界への夢という王道スタイルでおじサラリーマンは手放さず、さらに過去のゲーム開発回想で絶妙にインターネット老人会(これ蔑称じゃないと良いんですけど……分かり易いので)の世代まで囲い込む、なかなか周到な幅の取り方だなーと思いました。幅の広さに対してストーリーが複雑になりすぎることも今の所なく、まぁ文字通りの「工場焼け跡からの立ち直り」は流石にやりすぎだろとは思ったものの、過去の因縁との闘いと熱血バディもの、色々上手く絡んでいて面白く観られそうな気がします。まぁ日曜劇場のこの立て付けは意外なことがまず起こらないので、最後まで観るかは微妙なんだけど……王道ドラマで間違いないの観たい!という方にはしっかりおすすめできる一本です。

「メッキ―」、ミッキーすぎるだろ(でんでんの発音がミッキーにしか聞こえないんよ)と思っていたらディズニープラスの作品なんですね。クレジットを見て安心するところまでは無駄にスリリングでした。

TBS金曜22時『クロサギ』平野紫耀

TBS金曜ドラマという一番いい枠。普通に良かったです。前作ちゃんと観ていないけどテーマは同じで流れは違うタイプのリメイクかな?
ただ終始気になったのは、謎の提示から解決が異様に早いこと。主人公・黒崎の過去、動機、因縁の対決相手、「おやじ」と呼ぶ三浦友和の裏の顔、色んな要素があるはずなのに、「えこれ2時間ドラマでしたっけ?」というスピードで全要素が開示される。リメイクというのもあって主人公の過去とかは自明として進めるのか?という理解もできなくもないけど、だとしてもせめて坂東彌十郎ぐらいは一話で出さないか顔見せ程度で引っ張って良かったんじゃないか……?三浦友和とかも相当複雑な役割担っているのに早々に全部説明しちゃう。一話内で引っ張って解決することさえもなく、謎→答え、がほとんど連続シーンで驚いてしまった。仮説として「最近の視聴者は引っ張り待てないから」のトレンドに寄り添った結果なのかも知れないんだけど、流石に見応えという意味で削ぎ落とされすぎていると思う。要素としては十分面白いのに……。まぁでも拡大版でもちゃんと最後まで観られたから、決してハズレな感じでは全然ないと思います。


ただ最近、修二と彰とか見返していて思ったけど、今のジャニーズは当時より多分演技もダンスも歌も巧いと思うんだけど、当時の山Pとか亀梨って異様に華がありましたよね……やっぱちょっと何か凄かったよな、と思うなど

日テレ土曜22時『祈りのカルテ~研修医の謎解き診察記録~』 玉森裕太

何だろう、日テレ土曜ドラマとしては期待よりも丁寧なドラマだったけど何かでもやっぱり収めるところにざくっと収めるんだよなー、という感想。
とりあえず俳優陣はとても豪華。研修医5人くらいに教授陣も同数付けてるから、そもそもメインぽいキャストの人数が多くて凄いなと思いました。松雪泰子の声の深さは本当に本当に大好き。
玉森君も優しく繊細な研修医がはまっていて良かった。研修医ながらカルテを真剣に見ていたら分かることがあった……という流れで進んでいくのだと思うのだけど、過程はそこまで雑ではないし、悪くはない。のだけど……病院のことよく知らないのですが、院内放送で「コードブルー!」って叫ぶと全医者が緊急招集され、ダッシュで階段とか登って一箇所に駆けつけるみたいな演出があって……いや、え?っていう。まぁ結構いいドラマなんだけど、そういう意図不明な粗ってやっぱり気になるし、勿体ないよなぁ……。

日テレ日曜22時半『霊媒探偵・城塚翡翠』 清原果耶

『おかえりモネ』も『透明なゆりかご』も大好きだし、『ファイトソング』も最後まで観たくらい清原果耶大好きなのですが、こんなに興味を惹かれないティザー画像ってある……?こんなに好きなのに……?と何度も自分とティザーに問いかけました……。

清原果耶の良さ全消しじゃない……?と思うのは私だけかしら。

第一話、映像とカメラワークが凄く凝っているのが印象的だった。人物が二人しかいない会話シーンで、単に一人ずつ映すのではなくて鳥瞰にしてみたりガラス越しにしてみたり、一人を見切れさせたり、映像的に飽きない演出はとても良かったです。

内容は……。殺人事件が起きて、霊媒なので亡くなった人を降臨させられる翡翠ちゃんがイタコみたいになって、犯人が分かって……面白いかな?(反語)でも原作人気な作品なんですよね、小説だと能力系でも面白さがあるのかな……。うん。

ただ一つ、キャスティングがめちゃくちゃ気になる!清原果耶の助手、普通の能力系ドラマだったらまぁまぁ3番手くらいのキャストがやりそうな役を小芝風花が演ってるんですよ!完全に清原果耶並列の主演級と言っていい小芝風花がここにいるというのは……間違いなく何かある。彼女がメインストーリーにががっと絡んでくる瞬間はちょっとだけ気になるので、そうなったら教えてください!


フジテレビ水曜22時『親愛なる僕へ殺意をこめて』山田涼介

きらーい。まず嘔吐恐怖症的には一時間で三回嘔吐シーンがある時点で無理!そしてやたらと粘着質な尺のとり方をする趣味の悪い拷問シーン。設定も擦り切れた二重人格もの、彼女のことはマジ愛してる、みたいなのも薄ぅ!と思ったけど流石にそこは今後ひと工夫あってサスペンスとして面白くなるのかも知れないです。私は見ませんが、拷問・グロテスク表現いける人でサスペンスに興味持てれば楽しめるかも。自発光さんは美しいよ!

TBS火曜22時『君の花になる』

破壊神ばっさぁぁぁぁぁぁぁぁあぁあああああ!


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