逃げる、を考える
護身術を始めてから痛感したのは、現代の武術はとても中途半端だということ。
武道/武術の世界にドップリ浸かっていたので感覚が麻痺していたが、相手がまだ活きているのに制圧したつもりでいる。武道スポーツだけでなく古流武術でさえ、そうだ。相手が紳士である事を前提としている。
武術で「暴漢を転ばせてから逃げましょう」と言うが、体力的な弱者が本当に逃げ切れるのか。
「逃げるのが最大の護身術」と言いながらも、逃げる練習をする護身術は無い(子供の護身術では逃げ方を練習するのに)。逃げ方や隠れ方というのは、ある程度の予備知識がないとできない事だ。
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ロサンゼルスのダウンタウンで、夜中に黒人のチンピラ達に追いかけられた事があって、それ以来、逃げることの大切さを痛感している。
空手選手の頃は相手の足を止めるのが効果的だとローキックをひたすら練習していたが、海外で組手をしてるとボディもローキックも全く効かないヤツが多くて、しかもバネとスタミナがあるから走りも速い。とてもじゃないが逃げ切れる気がしない。
日本国内なら安全?
現政権の鎖国政策で一段と弱くなった日本と円。いつかは開国するが、その時に一気に円安でインバウンドが増える。国内の治安が急速に悪くなる可能性が見える。
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逃げる方は逃げる経路を考えながら走るので、追いかける方が有利だ。飛行機に乗った時に非常口を確認するように、建物や閉鎖空間に入る際には逃げる経路をシミュレーションしておくのが大事。
一説では、暴漢が追いかけるのを諦めるのは、相手との距離が20m開いた時らしい。だから最低限の逃げるスタミナは必要。走りに慣れていることも大切。とにかく人気(ひとけ)のある場所に出ることだ。
防犯ブザーも使い方によっては効果がある。危険地帯に入る前に手で握っておいて、暴漢と判断したらすぐに鳴らす。相手が近づいて来たら、自分が逃げるのとは反対の方向にブザーを投げる(暴漢が北にいて自分が東に逃げるなら、ブザーを西に投げる)。人目を気にする暴漢なら、ブザーを止めに行く可能性がある。
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やはり暴漢の目を効かなくするのが1番効果があるんだろうと考えている。砂でもコーヒーでも何でもいいから暴漢の目を狙ってかける。何もなければツバでもいい。
ボクは電車(という閉鎖空間)を利用する時は、細かく砕くことができるお菓子を買って乗る。お菓子なので職質は受けない(催涙スプレーは職質うける)。ポテトチップやプリッツなどは塩を含んでいるので目潰しには最適。危険を感じた際にはそれを袋の上から握って潰す。
1度では避けられてしまうので2〜3回に分けて相手にかけるのがいい。
暴漢の目を効かなくするのは、こちら側の情報を遮断できるという別の利点もある。自分の特徴を憶えられて後日、報復を受けないため、家族を巻き込まないためにも、車のナンバーや身体の特徴などの個人情報はなるべく見せないようにしたい。