キング牧師の視点を借りる : 日本語と伝統の複雑さと多様性の再発見
BGM : RECREATION / SUPERCAR
引用 : キング牧師の演説から
①
キング牧師の演説を引用しました。 彼は牧師なので、神という概念で演説を締めくくっていますけれども、 私がお伝えしたかったのはそこじゃないんです。プロテスタント信徒の視点ではなく、日本の伝統と多様性を意識する視点で、このnoteを書いています。
1960年代のアメリカと現代の日本は大きく異なりますけれども、 多様性について課題がある、あるいは偏見や差別の問題がある、 もしくは偏見や差別までいかなくても誰かを理解するのに葛藤がある。そこまで考えると、アメリカで一番評価されているとされる、内容もレトリックも、 極めて洗練されている演説を読む際に、私たちはこの演説を通して自分の課題に向き合うことができます。
なぜかというと、キング牧師の主張と、私たちが抱える課題は、前提を共有できるからです。1960年代のアメリカと2020年代の日本は異なります。けれど、「差別困るよね」って話は、十分共有できる、と私は信じます。
②
今日、日本人の宗教観は曖昧でルーズだねという見方ではなくて、 確かにお正月に神社に行って、バレンタインがあって、 雛祭りとかお節句があって、もちろん七五三とかは神社に行くわけじゃないですか。 で、クリスマスもありますし、クリスマスの前にはハロウィンも定着しましたよね。 また、大晦日、いろんな形で年越しをしますけれども、NHKで「ゆく年くる年」を見る方もいるわけじゃないですか。 もちろん見ない方もいる。 その際に、町ごとのお寺が除夜の鐘をついてくれるわけです。
何が言いたいかというと、日本の文化は多様性があるということ。私たちの文化ってすごく複雑です。 「日本人は何でもかんでも拝んじゃう、宗教のことはあまり考えないよね」っていう話ではなくて、 「日本人は神の領域には踏み込まない、立ち入らない、祀るっていうスタンスで、 人間の責任に対して自覚的だ」という見方を、私は選択します。
③
私がそんなことを英語で伝えたくて、 英語下手くそなの恥じつつ、それでも今日の身の丈で書くことが、より良い「表現」に繋がると信じ、半日かけて書き上げました。
どうやったら伝わるかなって考えました。付喪神って言っても分からないよな、お稲荷さんは「狐を拝むのか?」と誤解されても困るし、そもそも多神教の世界観をどう説明しよう、黄泉比良坂の神話とオルフェウスの冥界下りは似てるねっていうことを言ってみようかな、とか。少なくとも多神教ということで、ギリシャ・ローマ神話を例に出せば、キリスト教的な一神教や、西洋哲学で考えると神とは異なることは説明できます。だがしかし、ギリシャ・ローマ神話と黄泉比良坂や将門の首塚、太宰府天満宮とか、 あるいはスサノオが、多神教でもどう異なるか、説明が難しいので、集合知の助けを借りました。英語版のWikipediaに、なんで平将門や太宰府天満宮や「妖怪」の項目まであるのでしょうか。(どなたかは存じませんが、該当ページを書いて下さった方、感謝してます)
④
かくして、どうしたものかなと思いながら、英語で伝えることを考え抜いて、書きました。英語の論理構造を意識して、日本語を組み立てています。日本語は、様々な論理構造で書いても、理解出来る点も、柔軟性が高くて、とても興味深いです。
未熟で恥ずかしいんですけれども、 リンクは貼っておくので、よければ日本語の部分だけでも見てやってください。 まだ小さなメディアですが、不思議なことに、 更新するとドイツやフランスから定期的に見に来てくれる方が存在します。IPアドレスまでは確認出来ないのですが、 bloggerは国ごとに集計される簡易アクセス解析がついているから、様々な国から来訪があることは確認できます。その人たちが楽しんでくれているかまでは、残念ながら分からないです。でも、「日本人ってよく分からないな」と仮に疑問を抱かれたとしたら、何かキーワードを伝えられるかもしれません。
⑤
私は作家や何かになる手段として、書いていません。
お金は大好きです、金運超好好猫来来ですが、無料でいいから、頼まれなくても、「表現」したいのです。
適切に考えたなら、昨日見えなかったことが、見えるようになります。
書くから、何を書きたかったのか、明らかになります。
私は、私の時間と思考を使って、誰かの時間や幸福を増やせたらと、夢を見ます。
傷ついている人がいるなら、慰めるのでも励ますのでもなく、その方に、私も孤独と生きていることを、私の文章を通して観察して欲しい。
ネットの膨大な海に、未熟でも、他者の役に立つと信じたことを、1つ加えたい。これが、私にとっての表現の全てです。
⑥
唐突ですが、もし石油王が、USD5000兆ほど寄付してくれたら、どう使いますか?
スマホは1つUSD300
教育者1人年USD14万(参考資料にリンクします)
40億個のスマホと、約3.5億人(アメリカの大学教授の平均年収で計算。支援対象地域へ専門性のある教育者を確保したいから)の賃金で使い切れます。
スマホは2,3年で買い替えるニーズも考慮し、10億人に対して、4台贈れます。350万人の専門家を100年雇えます。教育格差を埋めるのに、効果ありそうですよね。問題は、私は今のところ、石油王は抽象概念しか存じ上げない点です。石油王各位、使い切りますので、ご検討ください。😊
⑦
話を戻すと、私の身の丈で考え抜いて書くことは、私ができる精一杯の、多様性に対する貢献です。ナショナリズム的に日本がすごいと言いたいんじゃないのです。僕らは、自信のある方が、承認欲求に振り回されないことを知っています。日本の文化伝統は価値があります。歴史的な遺産を相続したけれど、価値を高めてくれたのは、私達の先人の功績。
日本の概念、僕らの伝統はとても複雑だし、 そもそも日本語が複雑だよっていうことを英語にしてみることは、私にとって価値がありました。
キング牧師が夢を見たことはまだ実現していません。僕らの世代だけじゃなくて、次の世代でも達成できない夢かもしれないけれど、 確実に世の中は変化しました。これからも変わります。だから、今できることをやろうと、信じています。
慌てず急ぐ、力加減で。
参考情報
1,090,960人
平成17年のデータで、幼稚園から養護学校までの教員数がこの人数です。
「⑥」の数字は、約3.5倍の教育者。非現実的な数字ですが、「支援対象地域で働く教育者に、アメリカの大学教授の平均給与を払う」ことで、現地の優れた人材を確保し、彼らが納税し、消費すれば、現地が潤います。かつ、自国にいてアメリカの高い水準の所得が得られるのだから、憧れて、教育者を目指す人材も増えます。