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「 し ゅ っ ぱ い 」

「 し ゅ っ ぱ い 」

食を趣とする読者さんへ

味をお届けしましょうか、いやいや鳴らしてみせます腹の虫
春のような太陽の光が全身を刺激するなか、今日も道行くある店へ、どこかはよく分かっているはず

店は相変わらずの洋楽が明るく流れて、窓からの日差しも眩しい
いつも通りにサラダバーを覗くと、食べ放題である野菜たちが待ち構えています

キャベツ、オニオン、ポテト、マカロニ、野菜パスタとこの辺りは常連だ
「カリフラワー」「ペペロンチーノ」「豆腐」「ビーフン」と珍しい顔が4つほど

真っ白なはずのカリフラワー、ほんのりと赤紫に染まっているではありませんか
その色を見ているうちに果物を食べたような思い出がこみ上げます
さてさて、早速、味見といきますか …

 「 し ゅ っ ぱ い 」

悠々と広げた舌が一瞬で縮こまった

すっぱいではなく、しゅっぱいです、書き間違えではありませぬ
これが、思わず口にしてしまった言葉。

だってそうでしょう、色合いが薄っすらなので油断をしていたもの、味覚の脳天にイキナリ直撃、強烈な甘酸っぱさよ

いやはや、まいった、ペペロンチーノで口直し

「辛っ」
まるで麺の芯から大蒜の液が出ている感覚に陥る
そして何より唐辛子の刺激が、舌を熱く叩いている、ちらりと見直しカリフラワー

どうしよう、どうしようかと豆腐へと逃げていく
「冷たっ」
原料である大豆はタンパク質が豊富で『畑の牛肉』と言われるほどだ
こちらはさっぱり安定よかったね、何故か目がいくカリフラワー

でもでもビーフン食べなきゃね
一気にすすって味わうぜ、あっそれそれビーフン噛みしめて、濃いこい味覚へピリ辛々
しっかし気になるカリフラワー

ふたたび噛もうカリフラワー、台詞もふたたび、あの台詞

 「 し ゅ っ ぱ い 」

もうこれ妖しき魅力だよ、みたび口へとはいっていく

おまけ

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【辛島信芳の著書】
IT技術などに興味のある方は、是非ご覧になってください


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