閉ざされた世界
生きるために必要なものが、手の届く範囲にないと私たちは非常に困惑してしまう。
従来からそうだっただろうか。
いや、そんな事はなかったはずだ。
欲しいものはあっても、周りにあるわけではなく遠く離れた場所にわざわざ出向いていくしかなかった。
それがどうだろう。今や画面1つで自分の欲しいと思われるものが列挙されている。
欲しいと思わされているのだ。
消費することに慣れてしまった現代人。
何かをしなければいけないと言うことに取り付かれてしまった現代人。
何もしなくても時間は流れ、窓から遠くに広がる空をずっと眺めていたあの日。
そのような時間は今はもうない。
限られた画面の向こうに用意されたものをただ覗いているだけだ。
いろんな情報を見ているのではなく、ある情報をインプットさせられているだけに過ぎない。
われわれは焦っている。目の前の問題を解決しなければいけないと言う難題を突きつけられ。答えが見えない闇の世界に閉じ込められている。
闇の中には答えはない。
それを分かっていながら、闇の中でうっすらと光るモノを探し続けている。
考えよ。ゆっくり考えよ。
立ち止まれ。今までを振り返ろ。
声をあげよ。隣の人が振り向くまで。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?