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子育て まとめ

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子育てについて書いた文章をまとめています。野口整体とシュタイナーの入り混じった、子どものからだ育てとこころ育て。ちょっと独特な視点から語っているかも知れませんが、根っこは一緒だと…
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#無意識

意図なき集注

今月の愉気の会は「穴追い」の実習を行ないました。(2016年11月のこと) 穴追いというのは整体の手当ての一つで、からだの皮膚の上の穴のようなものをひたすら追いかけて愉気していくという不思議な技法です。 「皮膚の上の穴」というのも何だかよく分からないですし、「穴が動く」ということもよく分かりませんから、考え出すと頭が混乱してきてしまうかも知れませんが、今回の参加者の方たちはみなさん素質があるのか、あまり深く考えずに(笑)実習に入っていただけたので、比較的スムーズに実習を行

良い人が良い子育てをするとは限らない

子育てというのは難しいもので、良い人が良い親になるとは限らず、良い親が良い子育てをするとも限りません。 まわりも認める良い親であったとしても、その子どもが問題を抱えて荒れてしまうこともあるでしょうし、まわりが思わず眉をひそめてしまうような親であっても、その子どもが優しく利発的な子に育つこともあるでしょう。 もちろんその要因にはさまざまなものが絡んでいて、一概にこれが理由と言えるようなものではありませんが、一つ言えることは人間あるいは人間関係というものは、必ずバランスを取ろ

表現も要求も拾ってゆく

あるとき、何人かの人と一緒に駅への帰り道を歩いていた時のこと。 その中に4~5歳くらいの女の子が一人混じっていました。子どもはその子だけで周りは大人ばかり。 みんなでワイワイしゃべりながら駅へと歩いていたのですが、駅まであともう少しというところまで来て、その女の子がおもむろに「足が痛~い」と言ってペタンと座り込んでしまいました。 「あともう少しだから頑張ろうよ」と周りの大人に励まされても、「痛い」の一点張りでしゃがみ込んでしまって、まったく立ち上がりそうにもありません。

「お~い!ボクだよ~!」

私の子どもが小さいとき、近くの陸橋から下を走る電車に向かって「お~い!」と言って手を振るのが大好きでした。 ある日、いつものように陸橋を散歩していたときのことでした。 鉄柵の隙間から見える線路を遠くから走ってくる電車が、徐々に近づいて来るのを嬉しそうに見つめながら、彼は大きく手を振り叫んだのです。 「お~い!ボクだよ~!」 その彼の言葉を聞いたとき、私はそのあまりの「世界に対して開かれた構え」に、震えるほど衝撃を受けてしまいました。 彼は、世界のみんながボクを知って

それぞれの身体性を持ち寄って

1.無意識の検閲私たちが意識できていることというのは、ほんのごくわずかであって、無意識や潜在意識のレベルでは非常に多くのことを感じ取っていると言われます。 それはつまり、私たちはいろんなことを感覚してはいるけれど、それらの情報を何らかの形で取捨選択しているということで、しかもそれは私たちの意識にのぼらないところで行なわれているということです。 たしかに私たちの身の回りにはつねに多くの情報が氾濫していて、それらのすべてを一つ一つ意識して「これは必要、これは不要」などと選別し

愛は振り返って初めて気づく

1.からだがやってくれていることたとえば「ノドが渇いたなぁ…」と感じたとします。「水を飲もう」と思い立って戸棚からコップを取り出し、水道の蛇口をひねってコップに水を注ぎ、ゴクゴクとその水を飲み干します。 それは多くの人にとってはさほど難しい行動ではないでしょう。たいていの人はほとんど何気なしに行い、気にも留めていないかも知れません。 ですが、そこで行なっている行動を改めてひとつひとつ考えてみると、「自分がいったいどうやっているのか」よく分からないのではないでしょうか? み