0階 身体感覚マンション理論
以前、「身体感覚マンション理論」という考え方を書きました。
私の稽古は手探りです。これまで30年近く、ずっと、新しい世界は無いか?と探ってきましたが、それらが、上下にまとまり、形が現れてきました。
それを「マンション」に例えて表したものです。
今、稽古の中では当たり前のようにそれを伝えていますが、noteにはなかなかまとめられずにいました。
まぁ、それもそのはず、これまでの長い稽古の全てがここに納まっているのです。
何千文字、何万文字あっても足りません。下記まとめている途中からも術理が変化して、なかなか終わりません。
そして、それぞれの「階」にある情報はそれ一つであっても、なかなか理解されないものです。
今思うのは同じジャンルのものであっても、流儀、流派の違いはどの階を好みにして住むのか、という事です。
同じジャンルで喧嘩をしている様子はあちこちで見ますが、解決のしない喧嘩は階自体が違うのでしょう。いつまでもすれ違い続けるのは当然です。
逆に言えば、全く違うジャンルのもの、例えば武道と音楽、ビジネス、囲碁将棋などそれぞれが別物に見えたとしても、そこにいる人が、同じ階に住んでいるとなれば、話は通じるかもしれません。
生きるステージが変わる、という言い方がよくあります。
それなんかも、生きるフロアが変わる、と考える事が出来ます。
何となく、皆、わかっているものでしょうが、それを身体感覚と合わせ、自由に行き来出来るのだとしたら、ちょっと楽しいと思いませんか。
一つのフロアで最高を極める生き方も出来ます。
しかし、フロアを変えて、全体を見る楽しさもありました。
多くの場合、人は組織に属します。学ぶ人も指導する人も、です。
学ぶ人なら、どうしたって、頼りになる基本が必要になります。その基本がある日突然、変えられたのなら、学ぶ人は混乱します。
混乱のある組織で学び続けるのは難しいもの。組織を拡大したいならば、安定感が必要です。
また、指導する人ならそれまでの技を全て捨てて新たなアプローチをしたなら、やはり、混乱します。
指導する側にどれだけ確信があるのか問われるところですが、組織があり、責任を持って指導していればいるほど、これまで自分が伝えてきたものに縛られてしまいます。
現実問題、数百万円のお金をもらい技術を伝授していたなら、ある日突然、その技術はいらなくなりました、と言おうものなら、被害者の会が結成され裁判に発展してしまいます。
私は一人稽古で進めています。
「カラダラボ」という名前はあり、一応の代表で、甲野先生からもそうやって紹介をされますが、このカラダラボに会員はいません(笑)。
だからこそ、私は、私の身体の声に従い、稽古の仕方を変えるのに苦労する事なく、今に至っています。
階を変え続ける稽古は現実的な技が上達しません(笑)。
ルールの有る勝負をしたならうまくやるイメージは全く湧きませんし、楽しめる楽器もなく、商売だって苦手です。それこそ、相変わらず竹馬だって乗れません。成果だけを見たなら、もうだめだめです。
しかし、生きる上でのバランス感は間違いなく上がっています。
こんな「気持ち」で生きられるとは考えもしませんでした。
何となく生きてきて、何となく生きられるからこそ、ついつい、気持ちを蔑ろにしてしまったのです。
人には心と身体があります。
心はあまりに手がかりがなく、諦め、だからこそ、身体感覚という世界へと入る事が出来ました。
心身一如の仕組みから、身体を探る事で心の世界も観察をする余裕が出来てきたようです。
そして、その心の世界はこの頭の上にありました。重なり合っている感覚もないわけではありませんが、まずは一直線に身体と心を並べて行き来をしてみるのがいいかと思います。
これからしばらく、「マンション理論」での各階について書き散らかしていこうと思います。
ついつい、あれもこれも伝えたくなり、思いつくまま書き出すと何千文字、と長くなってしまうので、今回は出来るだけコンパクトに収めてお伝えしたいと思います。
もし、途中、何か気になる事があれば、稽古の際にはもちろん、メール等でお知らせください。それらも考えに入れて、記事を更新していきます。
【不定期稽古のご案内】
「甲野善紀先生の名古屋稽古」
稽古日時:7/21(日) PM1:00~PM3:30
稽古場所:浄泉寺
会場住所:名古屋市緑区鳴海町字上中町9
アクセス:名鉄本線鳴海駅から徒歩5分
参加費:8000円
参加資格はありません。見るだけ、聞くだけでも参加可能です。
申し込みはウェブサイトから。
http://www.karadalab.com/
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