いまこそ必要な「大人の上手な勘違い力」。
昨日は春休み最後の日。天気もいいので、子供たちを連れて出かけることにしました。しばらく行けてなかったお墓参りと、そのついでに大阪城公園にもよってみたんです。
すると、人、人、人。
ましてや、昨日は大阪が「コロナ感染者数が過去最多を更新した日」。そのタイミングで見る「人の密」は、なんだか変な感じがします。
ところで、この人たちは一体、何に集まっていたのでしょう?
見た目は大学生くらいの年齢。全員、一応、スーツ。手には同じデザインのトートバックがあります。なるほど、時期的にもおそらく「就活生」で、合同説明会でもあったのでしょう。場所も大阪城ホールのすぐそばでしたし。
で、人の密にいる就活生ひとりひとりを見ていると、なんだか新鮮ですし、同時に懐かしくもあります。
まだ就活のスタート時期なんでしょうね。スーツはもちろん。着慣れているどころか「着られて」ますし、ロン毛を上で束ねたチョンマゲスタイルだったり、メッシュがバリバリ入ったりなど、髪型もフリースタイルです。いいですよね。新鮮だ。
でも、これが時を経るにつれ、どんどん無難になっていきます。そりゃ仕方ありませんが、より無難に、より同じように、失点しないようにまとまっていきます。
そこで、僕の就活の時を思い出したんですよ。どうだったかなって。
当時、僕はベンチャー企業ばかり受けていました。実力なんてなーんにもないのに、「一旗揚げてやる!」なんて鼻息ばかり粗くて。
就職氷河期で景気もよくはありませんでしたし、たぶん、ベンチャーブームもあったと思います。安定した(ように見える)大手は避け、サッサと出世できそうな会社、サッサと稼げそうな会社を中心に選んでました。
使っていた就活サイトも偏っていて、リクナビとか定番のモノはほぼ使わず。ベンチャー企業に特化したサイトを中心に使ってましたね。まぁ「エントリーシートが書けない」という別の問題もありましたが…。
で、そのベンチャー企業専門のサイトも、野心家の野心をあおるようにできているんです。サイトデザインやコピーもそうで、たしか、僕が就職した会社のコピーは「スーパースター以外はいらない」だったかな?
お恥ずかしい話ですが、このコピーに釣られて来るということは…………。そう、自分のことを「そう」思っているわけです。(「そう」を「スーパースター」だなんて書けるわけないじゃないですか…。恥ずかしいから…)
僕もそうだし、周りの人間もそう。同期も例外なく、そんなやつばっかりです。(だから楽しいし好きなのですが)何の実力も実績もないのに、自分のことを「そう」だし、「そうなれる」と信じて疑っていないのです。
と、いうことは、ここにひとつだけありますね。大事な要素が。
それは。
勘違いできる力
のこと。
いやいや、もちろん、イタイですよ。いい大人…いや、いいオッサンが実力も伴わないのに勘違いしているって。未熟の証です。ですが、そういう「勘違いできる力」って、「自分を信じれる力のこと」でもあります。
冒頭、昨日見た就活生の多くも、今は「いい勘違い」が自分に対して出来ているのではないでしょうか?それが時間を経るにつれ、失敗や挫折を重ねるにつれ、自分を信じる力が弱くなり、無難に収まっていくのかもしれません。
ああ、もったいない。でも、僕たちも同じかもしれません。そんな「ああ、もったいない」を自分にもしていませんか?自分の実力を直視せずに勘違いするのはただただイタイ。ですが、直視した上で、勘違いできる。いい勘違いとうまく付き合える。それが、経験を重ねた大人が出来ることではないでしょうか。
いい勘違いを取り戻して、うまく付き合いましょう。
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