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ドラマ・映画感想文(07)『アバウト・タイム 愛おしい時間について(原題:About Time)』

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作品の面白さ:9点(/10点)
制作年:2013年
視聴方法:U-NEXT

※以下、ネタバレは最小限に抑えて書いています。
 
公開当時、映画館で観て感動した記憶があった。ただ、なぜ観に行ったのか記憶が定かでない。
 
そんなことをふと思い出し、配信で視聴。内容を半分以上忘れていたので初見のような感覚で楽しめたが、やはりいい作品だった。
 
主人公一族の男は、タイムトラベルできる特殊能力を持っている。このことを、21歳になった日に父親から聞かされた長男は、早速試してみる。すると、いとも簡単にできてしまい、それ以降はことあるごとに過去に戻ってミスを取り返す。ちなみに未来には行けない。
 
この能力を悪事に使わないのが、主人公のピュアすぎる所以。あらゆるシーンから童貞であることが露見するのだが、そうであるがゆえの「いい奴」感が、観ていてほのぼのする。
 
コーンウォールの海が眩しい。白亜の邸宅。ここで家族と過ごす時間を大切にする主人公。独り立ちして実家を離れてからは、ガールフレンドにぞっこんの日々を送るが、それでも父・母・叔父・妹を気に掛ける姿がいじらしい。
 
最終的に、この主人公はタイムトラベルの能力をどう使い、何を学んだか。誰もが拳拳服膺すべき人生訓を授けてくれる、温かい結末。
 
それにしても、ガールフレンド役のレイチェル・マクアダムスがいい。あの屈託のない笑顔は、それだけで絵画のような残像をこちらの眼裡に焼き付ける。初登場シーンは野暮ったい感じの出で立ち、中盤以降はロンドンに溶け込む洗練された明眸皓歯。他の出演作も観てみよう。

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