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あのね

4歳になる次男は話かけるとき、
「あのね」
というのが口癖だ。

「あのね、お父さん、あのね」

なんとも可愛いらしい。
会話は続く。

「あのね、お父さん、今日ね、幼稚園でね、
「あのね、お友だちと遊んでたらね」

このまま眠りたくなる、
心地よい響き。

何を伝えたいかはわからない。
でも一生懸命伝えようとする
気持ちが見えて愛おしい。

子どもにとって、一日は長い。
その日にあった出来事は
大人にとっては些細なことだが、
子どもにとっては真新しい大きなこと。

凝り固まった岩に
新鮮な水が降り落ちるかごとく、
私の心は洗われていくのだ。

さて、今日も寝る時間。
今日は何をお話ししてくれるのかな?

「あのさ、お父さん」

うん? なんか、それ、違うかな。
「さ」はどうかな。
「ね」にしない?




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