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節約について

銀行員だったので、資産運用や蓄財に長けていると思われることが多く、そういう類の相談をされたりすることもたまにある。

たしかに一般的な知識は相応にあるのだろうが、正直なところ、あまり興味がない。自分自身の蓄財に励んだこともない。どちらかと言えば、「カネは天下の回りもの」だと思っている。ことさらに無駄遣いもしないし、無駄遣いは嫌いだが、必要なおカネを支出するのは仕方ないと思っている。

したがって、ちっともおカネが貯まらない。

世の中には、クレジットカードやキャッシュレス決済のポイントを比較検討して、「〇〇がお得」とか教えてくれる人がいる。

またテレビでは水道光熱費の節約方法などを説明して、「これで年間〇〇万円の節約になる」とか言っている。

いずれも僕には無縁である。

前に良い習慣を継続することが大切だとか、小さな積み重ねが重要だとかいう意味のことを書いたのと矛盾するかも知れないが、カネの節約に関しては、まったく興味がない。たぶんこういうことに頭を悩ませるのを面倒くさいからであろう。

人生とっくに折り返しを過ぎており、あと何年生きられるかもわからないんだし、興味がないことに時間も頭も使いたくない。

クレジットカードやポイントカード、キャッシュレス決済のポイントを比較しつつ、せっせと貯めることに情熱を注ぐ人が世間にはたくさんいるのかも知れないが、僕はやらない。ポイントが「貯まる」のは仕方ないが、意識して「貯める」ことはしない。

店で買い物とか飲食をしたら、次回の来店時に使える「割引券」をくれることがあるが、ああいうのは断固として受け取らない。財布がかさばるからである。それに割引券があると、使いたくなる。店に行動をコントロールされているみたいであまり気分が良くない。

ビール、発泡酒、第三のビールと似たような種類のアルコール飲料があるが、ビールしか飲まない。どれも似たような味だし、安い方が良いだろうと言う人も多いのだろうが、僕の場合はビール以外は飲まない。まがい物は嫌いである。

アルコール度数の高いストロング系飲料というのも飲まない。安く早く酔えるから効率的という考え方もあるが、別に早く酔いたいわけでもないので、こういうのも飲まないことにしている。化学薬品みたいなものは嫌いである。

あと金融機関が勧めてくれる投資運用商品の類についても、一切やらない。自分がかつてはそういう商品を取り扱っていたので仕組みはよく理解している。金融機関が勧めてくれるのは、お客さんにメリットがあるからではなくて、ただただ自分たちにメリットがあるからである。金融機関が勧めてくれる商品は、たいていの場合、金融機関の懐に入る手数料が多い。彼らも商売なんだし当然である。

以上のような感じで、元銀行員なのに蓄財も資産運用もせず、漫然と過ごしている。まあ食うには困っていないし、今のところは必要なおカネは足りているし、それで何も不自由は感じていない。だいたい蓄財したところで、おカネを持って死ねるわけでもないし、子どもたちにおカネを残したところで仕方がない。

死ぬ瞬間に、預金残高がゼロになっているような生き方が僕の理想とするところである。ちなみに葬式も戒名も無用と常々言っている。






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